■ 自己紹介
こんにちは。東は中国、西はウズベキスタン、南はタジキスタン、北はカザフスタンに囲まれた中央アジアの国「キルギス共和国」から来た留学生のアイーダです。前回は、私の大好きな鍋料理「しゃぶしゃぶ(牛肉)」について紹介しましたが、今回は、私が参加したムスリム旅行者向けの「富士山日帰りバスツアー」について紹介したいと思います。
■ このツアーの魅力
・ 訪れる場所には礼拝スペースがあり、お祈りの時間も確保されている
・ 昼食にはハラール認証のお弁当が用意されている
・ 富士山を間近に感じられる絶景スポットを巡る
■ 訪れる場所:3カ所
・ FUJIYAMAツインテラス
・ 富士河口湖マスジド
・ 西湖いやしの里根場
※ここからは、VLOGスタイルで私が体験したことを紹介します。少し個人的な感想も入りますが、初めて富士山ツアーに参加したムスリム旅行者としての「リアルな視点」を感じてもらえたら嬉しいです。
■ 第1章:出発の朝 ― ずっと夢見ていた旅が始まる
私は、念願だった富士山への日帰りバスツアーに参加するため、予定より40分早く高輪ゲートウェイ駅に到着した。胸が高鳴るのを感じながら、まずは旅の始まりに欠かせない温かいコーヒーを購入。その後、集合場所へ向かうと、フレンドリーなガイドさんや参加者たちの笑顔に出迎えられた。
今回のツアーではガイドさんがすべて英語で案内してくれるため、言語に対する不安はない。しかも、ただ案内するだけではなく、バスの中で訪れる場所の歴史や日本の文化について学べるほか、ムスリム旅行者向けにお祈りの時間もきちんと用意されている。まさに至れり尽くせりのツアーだ。私は他の参加者たちとすぐに打ち解け、清潔なバスの座席に身をゆだねながら、「今日はきっといい一日になる」と確信した。
■ 第2章:FUJIYAMAツインテラス ― 富士山や河口湖を一望できる眺望スポット
※ 滞在時間1時間
バスに揺られて約2時間半。東京の街並みはいつの間にか山あいの風景へと変わり、私はわくわくしながら窓の外を眺めていた。最初の目的地は「FUJIYAMAツインテラス」。富士山と周囲の湖を一望できる人気の眺望スポットだ。
この日は富士山の頂上が少し雲に隠れていたものの、河口湖や山中湖まで見渡せる景色は想像以上で、私は思わず足を止めて見入ってしまった。すると、私たちの様子を見たガイドさんが「今日は富士山がちょっと恥ずかしがっているみたいだね」と優しく冗談を言い、参加者の間に笑いが広がった。
※ 天候が悪く FUJIYAMAツインテラスからの眺望が期待できない場合は、ガイドさんが別の絶景スポットへ案内してくれる。そのため、天気を必要以上に心配しなくてよい点も、このツアーの魅力の一つだ。
■ 第3章:富士河口湖マスジド ― 湖畔で過ごす特別な時間
※ 滞在時間1時間15分
FUJIYAMAツインテラスをあとにし、バスで約35分揺られると、「富士河口湖マスジド」に到着した。ここは河口湖にある唯一のモスクで、ムスリム旅行者が安心して礼拝できる貴重な場所だ。さらに、清潔なマットと礼拝着も用意されているため、忘れ物を心配する必要はない。宗教が異なる国でも、自分の国と同じように礼拝の時間が確保されていることは、ムスリム旅行者にとって大きな安心になると思った。
さらに、湖畔のテラス席では、バス乗車前に自分で選んだハラール認証のお弁当を楽しむこともできる。この日は空気が冷たく、少し肌寒かったが、地元の美しい景色と相まって、心も体も満たされた。
【私のオススメ】いくら景色が綺麗でも、寒空の下でアイスを食べたいと思う人は少ないかもしれない。しかし、富士河口湖マスジドのテラス席だからこそ、この場所で冷たい空気に包まれながらアイスを食べることに意味があると私は思う。言葉ではうまく表せないが、きっと一生心に残る特別な時間になるはずだ。だから、少しでもこの記事を読んで興味を持った方は、ぜひ冬のテラス席でアイスを食べてみてほしい。
■ 第4章:西湖いやしの里根場 ― 日本アニメや時代劇の世界へタイムスリップ体験
※ 滞在時間1時間30分
富士河口湖マスジドをあとにし、バスで約35分。最後に訪れたのは「西湖いやしの里根場(さいこ いやしのさと ねんば)」だ。ここは昔ながらの茅葺屋根の民家を復元した野外博物館で、郷土料理や郷土工芸の体験などを楽しむことができる。茅葺き屋根の家、細い路地、工芸品。それらを目にすると、私は大好きな日本のアニメや時代劇の世界に入り込んだような気持ちになり、胸が高鳴った。
【私のオススメ】約20棟の茅葺き家屋ではさまざまな体験ができるが、私の一番のおすすめは⑫「火の見屋(ひのみや)」だ。ここでは日本の民族衣装である着物や、侍が身につけていた鎧兜の着付け体験ができる。今回は滞在時間が短く、1軒1軒ゆっくり巡ることができなかったが、次に訪れるときは郷土料理や着付け体験にも挑戦したいと思った。
※ 西湖いやしの里根場でもお祈りは可能。ただし、礼拝用のマットや礼拝着は用意されていないため、自分で持参する必要がある。
■ 第5章:旅の終わり ― 富士山の余韻に包まれる帰り道
15時頃、私たちは再びバスへ戻り、東京へ向けて出発した。ガイドさんは帰り道でも富士山にまつわる話を穏やかな声で続けてくれていたが、その柔らかな声を聞いているうちに、まぶたが少しずつ重くなっていく。そして、外の景色が夕方の光に染まり始める頃、私は静かに心地よい眠りへと落ちていった。
気が付くと、バスは高輪ゲートウェイ駅に到着していた。時計の針は18時、夢のようなツアーの終わりだ。バスを降りた瞬間、冷たい空気が頬をかすめ、一日分の思い出が一気に胸へと押し寄せる。富士山の雄大な景色、河口湖の静けさ、モスクで過ごした穏やかな時間、そして昔の日本にタイムスリップしたような特別な体験。私は改めて「今日は本当にいい一日だった」と心から思った。
■ 今回のツアースケジュール
07:20: 集合 (高輪ゲートウェイ駅 1階 交通広場 3番バス乗り場) ※①
07:30: 出発 (移動時間150分) ※②
10:00: FUJIYAMAツインテラス(滞在60分) ※③
11:00: 出発 (移動時間 30分) ※②
11:30: 富士河口湖マスジド(滞在75分)
12:45: 出発 (移動時間 35分) ※②
13:20: 西湖いやしの里根場(滞在90分)
14:50: 出発 (移動時間180分) ※②
17:50: 高輪ゲートウェイ駅到着 ※④
※① バス乗り場に礼拝所があります(マグリブ礼拝可)
※② 移動は全て貸し切りバスです
※③ 5~11月参加の場合は「FUJIYAMAツインテラス」ですが、1~4月参加の場合は「久保田一竹美術館」です。
※④ 17:00〜19:00の間で到着
■ まとめ
今回は、私が参加したムスリム旅行者向けの「富士山日帰りバスツアー」について、VLOGスタイルで紹介しました。いかがだったでしょうか?正直、「西湖いやしの里根場」など、見学できる場所が多いところはもう少し長く滞在したかったと思いました。でも、「日本の美しい自然や文化に触れたい」「富士山を近くで見てみたい」と思うなら、一日でそれらを体験できるこのバスツアーがおすすめです。特に、ムスリム旅行者はお祈りの時間が確保され、ハラール認証のお弁当も用意されているため、旅行中は安心して観光に専念できます。少しでも興味を持った方は、ぜひムスリム旅行者向けの「富士山日帰りバスツアー」に参加してみてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
