こんにちは、香港出身のホーマンイーです。香港と言えば海老餃子、焼売、ワンタン麺といったグルメを真っ先に思い浮かべ、旅行で訪れた時は香港グルメを全て堪能して帰るぞ!!と思っている方が多いのではないでしょうか。実際に日本の雑誌やテレビ番組でも「香港」の特集が組まれる度に有名な香港料理がたくさん紹介されているのを見かけるのですが、実は香港で、香港人の舌を唸らせている料理と言えば日本のラーメンだということを知っていますか?ここ数年、日本の有名店進出も増え、香港には今現在100以上のラーメン店が存在します。そこで今回は、香港と日本のラーメン店の違いやラーメン大好きな香港人が誤解しているラーメン知識を紹介しながら、私が今日本で1番オススメしたいラーメン店を紹介したいと思います。
■香港と日本のラーメン店はココが違う:香港では麺の硬さから味の濃さまで選択できる
香港のラーメン店では基本、麺の硬さや味の濃さが全て調節できます。そして、もしこの調節を不可にしている場合は「このお店大丈夫?」と不信感を持たれてしまいお店の評価に影響が出てしまうことがあります。(九州を代表するラーメン店「一蘭」と同じスタイルのお店が香港ラーメン店の定番スタイルという意味です)しかし、日本のラーメン店では違います。メニューに書いていなくても麺の硬さを選べるお店は多いと思うのですが、日本の有名なラーメン店では麺の硬さ、太さ、スープの味、具材全てに強い拘りを持ったお店が多いので、客側が好みを主張するのではなく、ラーメンを作った人が1番美味しいと自信を持って提供する1杯をそのまま堪能するが日本のスタイルです。
その他、香港の飲食店ではジャンル問わずメニューに100種類以上の料理を掲載していることの方が「普通」ですが、日本の場合は1種類の料理を極めるタイプの専門店が多いという違いがあります。これは「何事も1つのことを極めることの方が良いという日本人の考え方であり、料理に対する日本人の美学です。香港の人が日本へ訪れた際は、香港でのスタイルで料理を求めるのではなく、是非日本スタイルの拘りが詰まった1杯を堪能してください。
■香港人が誤解しているラーメンの知識
①豚骨ラーメンだけが本物のラーメンだと思っている
ラーメンが大好きな香港人の間では「豚骨ラーメンだけが本物のラーメン」だと思っている人が多いということを知っていますか?これには「ラーメン」のことを知らない人が多かった2010年頃に日本から香港に出店したラーメン店が大きく関係しています。実は香港で最初に出店したラーメン店「豚王」と「一風堂」はどちらも豚骨味のラーメン店でした。その結果、香港人が考える本場(日本)の味は「豚骨ラーメン」だと思う人が増えてしまったというわけです。しかし、日本には豚骨味以外にも、醤油、味噌、塩など様々な味のラーメンが存在し、味が違っても正真正銘のラーメンです。もし香港出身の人で日本のラーメンを味わう機会があればぜひ豚骨以外の味も食べてみてほしいと思います。
②ラーメンを食べる時は大きな音で麺をすすらなければならないと思っている
これは日本に来日するまで私自身も勘違いしていたことなのですが、多くの香港人はラーメンを食べる時に「麺をすする」という行為はラーメンを作った人への敬意を表す方法であり、日本独自の「マナー」だと思っている人が多いです。そのため、麺をすする時は大きな音を立てれば立てるほど良い行為だと思っていたのですが、実際は違います。「すする」という行為はマナーではなく、ワインテイスティングの時と同じように、麺の香りを楽しんだり、スープの味や香りを楽しんだりするための行為です。しかし、たとえ香港人の考え方が間違っていたとしても、日本人と同じようにすすりながら食べていたことで結果は同じように楽しめていたということがわかったので安心しました。
■私が今日本で1番オススメしたいラーメン店はコレ!東京都新宿区にある「らぁ麺 鳳仙花」
「らぁ麺 鳳仙花」オススメポイント
■香港では食べることのできない金目鯛(真鯛含む)を使用した塩ラーメン
■日本で有名なラーメン店「らぁ麺はやし田」のセカンドブランド店
■低温調理した豚肩ロースの絶品チャーシューや濃いオレンジ色の濃厚な味付け卵が味わえる
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今回ご紹介するラーメン店は、香港人の大好きな豚骨ラーメンではなく、金目鯛を使った鯛塩系のラーメンです。このお店は日本で有名なラーメン店「らぁ麺はやし田」のセカンドブランド店で、2018年のオープンから約5年たった今でもお店の前には長蛇の列ができるほど人気ですが、回転率がいいので何時間も待つことはありません。
店主の話によると、スープは金目鯛をメインに使っていて、金目鯛のアラから出汁を取り、少し鶏のスープを加えているとのこと。完成した黄金色のスープは、トッピングされている紫玉ねぎとの相性もよく、全粒粉入りの麺ともよく絡みます。チャーシューは通常のラーメン店で出されているような分厚い角煮のようなチャーシューではなく、低温調理した豚肩ロースのスライスですが、1口食べると口の中に豚肉の上品な甘さが広がり、こちらも大満足!その他、オレンジ色に輝いた味玉は「マキシマム濃いたまご」を使用していて濃厚。メンマはラーメンの器を半周するくらい大きな穂先メンマを使用していていますが、メンマ自体の旨味を感じられるほどシンプルな味付けだったので全て満足することができました。
■おまけ
「らぁ麺 鳳仙花」のラーメンは他の店舗のラーメンよりもボリュームが少ないので、男性だと物足りないと感じるかもしれません。そんな方はぜひ「金目鯛茶漬け」がオススメです。(※金目鯛茶漬けの食券はラーメンの食券を購入するときと一緒に購入します) 麺を食べ終わったタイミングで炙り金目鯛と小ネギがトッピングされたご飯、蛤でとった出汁が一緒に登場するのですが、これに別添えされている山葵を入れて食べると贅沢な〆の完成です。1,500円未満でこんなにハイクオリティなラーメンと〆が食べられるのは「らぁ麺 鳳仙花」だけなので、皆さんもぜひ、食べに行ってみてください。
「らぁ麺 鳳仙花」(新宿店)へのアクセス
■住所:〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1丁目24−6 鶴切ビル 1F
■電話:03-6273-9558
■営業時間:11:00〜23:00(L.O22:45)(スープ切れ早仕舞いあり)
■定休日:無休
■アクセス:西武新宿駅から徒歩1分、JR線新宿駅東口から徒歩5分