簡単なプロフィール
■名前：テ フイジア
■国籍：マレーシア
■日本での生活：9カ月（2022年4月に来日）
■来日前：マレーシアの中等学校で英語教師として約6年間働いていた
■現在：早稲田大学 大学院アジア太平洋研究科 国際関係学専攻修士課程 比較国際教育学1年生
■将来の夢：博士のプログラムに進学した後、教育関連の研究者か教授、または国際機関で働きたい
■日本に興味をもったきっかけや、日本を留学先に選んだ理由を教えて下さい
小さい頃から日本のアニメ「セーラームーン」や「るろうに剣心」を見て育ったので「日本」に対して興味を持っていたのですが、私が子供の頃は日本とマレーシア間での小学生から高校生を対象とした交換留学制度がなかったため、本格的に日本へ留学して学ぶことはできませんでした。しかし、イギリスの大学へ留学をしていた頃、文部科学省の国費外国人留学生制度があることを知ったので、挑戦してみたところ合格することができたので去年（2022年）4月に日本へ留学をしました。
■どんな日本のアニメが好きですか？
最近は大学の課題やプライベートが忙しいので、なかなかアニメを見る時間がないのですが、「進撃の巨人（Attack on Titan）」と「SPY×FAMILY」は見ています。とくに、「進撃の巨人（Attack on Titan）」は昔から見ていますが、他のアニメと比べるとビジョンも違うし、別格ですね。1話1話に深い意味が込められていたり、今私たちが生きている時代と重なる部分も多く描かれていたりするので、作品を通して客観的に現実世界で行われていることについても考えることができます。今年は「進撃の巨人」The Final Season完結編（前・後編の2部構成）が放送されるので凄く楽しみです。「SPY×FAMILY」はとにかくアーニャが可愛い！進撃の巨人とは真逆で、何も考えずリラックスした状態で心の底から楽しめる作品なので好きです。
■マレーシア国内で制作された人気のアニメはありますか？
マレーシアでは国内で制作されたアニメよりも、海外で制作されたアニメの方が人気ですが、昔から子供たちに人気があるアニメは「ウピン＆イピン（Upin&Ipin）」という名前のアニメです。このアニメの主役は幼稚園に通う5歳の双子の男の子ウピンとイピンで、彼らを通してイスラム教の文化や教育を教える内容なのですが、実は日本のアニメ「ウルトラマン」を制作している円谷プロダクション公認で制作された、マレーシアオリジナルのウルトラ戦士「ウルトラマンリブット」が登場する話もあります。（※マレーシアではウルトラマンシリーズの認知度や人気が高い）この作品は言葉がわからなくても、子供向けのわかりやすいストーリーなので興味がある方は、ぜひ見てみてください。
■これから日本で挑戦してみたいことは何ですか？
日本人の友達を作りたいです。私が通っている大学は授業を日本語と英語の両方でおこなっているため、クラスの4分の3は留学生です。そのため、さまざまな国の友達を作ることは可能ですが、そのぶん日本人の友達を作ることがとても難しいです。日本語の勉強はマレーシアにいる頃から日本学生支援機構 東京日本語教育センター（JASSO）のオンライン授業を利用して半年ほど勉強したり、もともと語学を学ぶことが好きだったりしたので苦痛に感じたことはないのですが、文法には少し自信がないので、もっと上達するためにも日本人の友達が必要だと思います。今年（2023年）に入ってコロナ感染症も少しずつ収まってきたので、これからはもっと積極的に行動して日本人の友達を作ります。
■日本で生活をしていて驚いたことや困ったことを教えてください
日本で生活をしていて困ったことは「コミュニケーション能力の衰えと日本人との距離感」です。マレーシアにいる頃は両親と一緒に生活をしていたので、常に誰かとコミュニケーションを取りながら生活をしていたのですが、日本に来て1人で生活をしていると必然的にコミュニケーションを取る時間が少なくなってしまい寂しく感じます。その他、日本以外のアジア、特に東南アジアでは人と人との距離が親密で身体的な接触も多いのですが、日本人の場合はパーソナルスペースが広く、1人でいるプライベートな時間をとても大切にしている人が多いため、距離感をどのように保てばいいのかわかりません。そして、距離感だけではなく「友達」に対する定義も異なるので、人といる時は常に「私たちは友達なのだろうか？」と考えてしまう変な癖がついてしまいました。積極的にコミュニケーションをとって、日本人の友達を多く作りたいのですが遊ぶ予定も早くて1週間、ひどい時は１カ月以上前から予約を取らなければ一緒に遊ぶことができません。まるで予約の取れないお店の様です。これも日本人が本当に忙しいからではなく、自分のスケジュールの中で誰かと一緒にいることよりも1人でいる時間が必要だと思っている人が多いからだと思います。しかしこの場合、私たち留学生が空気を読んで距離を取る選択をしてしまうと一生仲良くなることができません。なので、どのように距離を保ちながら付き合っていけばお互いにとって良い距離感を保つことができるのかが今後の大きな課題です。
■最後に、これから日本へ来る留学生にメッセージをお願いします
・①母国にいる家族と沢山連絡をとる
・②母国語が通じる友達も沢山つくる
・③完璧に話せなくても覚えた日本語で話す
これから日本へ来る留学生の皆さんに伝えたいことは3つあります。まず1つ目は母国にいる家族や友達と
たくさん連絡を取るようにしてください。そして2つ目は、日本人の友達を作ることも大切ですが、母国語で話すことのできる友達も作るようにしてください。先程も書きましたが日本で生活をしていると人とコミュニケーションを取ることが少なくなります。異国の地で誰ともコミュニケーションを取らなくなると心のバランスが崩れてホームシックになったり体を壊してしまったりすることがあるので、大切な人や母国語を遠ざけるのではなく、心の支えとして母国語でコミュニケーションを取る時間も大切にしてください。3つ目は日本語についてですが、日本語を完璧に話すことができなかったとしても覚えた日本語を使ってコンビニや街の中で自分から話すようにしてください。文法を間違えることを恐れて話さない選択をすると日本語は上達しないので、頑張って話してみてくださいね。一緒に頑張りましょう！