■日本全国のご当地「おでん」を堪能する旅
外食文化が発達している台湾で、一年中手軽に食べることができて、日本統治時代に伝わった食べ物といえば、台湾で「関東煮」呼ばれる日本の「おでん」です。台湾では季節関係なく食べることができるので、小腹がすいたときや夜食の定番として好まれているのですが、日本のコンビニでは寒い時期にしか購入することができません。日本での旅行を始めた頃、私の旅行計画の中に「おでん」は含まれていなかったのですが、ある日、無性におでんが食べたくなったので、欲望を叶えるため検索してみたところ、日本でも一年中おでんが食べられる場所があることを知りました。(ここからが私の「日本全国のご当地「おでん」を堪能する旅」のはじまりです)そこで今回は、私の母国台湾と日本の「おでん」の違いをご紹介しながら、台湾のおでん好きな人達に最もオススメしたいご当地おでんを三つ紹介したいと思います。
■私の母国台湾と日本のおでんはココが違う
・一年中、コンビニで手軽に購入することができる
・おでんの具は日本よりも台湾の方が多い。たとえば、日本統治時代に持ち込まれた様々な種類の練り物系(かまぼこや、ちくわなど)など
■日本のおでんを堪能するなら是非食べてみてほしいご当地おでんはコレ
金沢おでん
・特徴:日本人でも「おでんの具」として食べたことのない具材が多く使用されている
・出汁:金沢おでんの出汁に定義はないとのこと
・オススメの具:車麩(くるまぶ)、冬限定の香箱蟹(こうばこがに)
私が食べたお店では、醤油五大名産地の一つ、石川県金沢市大野町で製造された「大野醤油」と昆布、新鮮な加賀野菜、海鮮の旨味を加えた出汁を使用していたのですが、その出汁をたっぷり吸い込んだ車麩は絶品。もっちりした触感の車麩は、噛めば噛むほど出汁の旨味がジュワ~っと溢れ出してくるので、思わず顔がほころんでしまいます。その他、冬限定の石川名物といえば、香箱蟹(こうばこがに)こちらは、香箱蟹の身を丁寧に取り出し、殻に詰め、蒸してからおでんの出汁で煮るという手間のかかった一品。出汁をたっぷり吸った香箱蟹のおでんに出会えるのは冬の金沢だけ。冬の金沢で自分へのご褒美に贅沢な一夜を過ごしてみましょう。
香川おでん
・特徴:おでんに特製のからし白味噌ダレをつけて食べる
・出汁:讃岐うどんで有名な香川だけあって、基本うどんと同じ美味しい出汁を使用している
一見何の変哲もなく見える香川おでんですが、美味しさの秘訣はトッピングする特製のからし白味噌ダレに隠されています。私が食べたお店では、おでんに特製のからし白味噌ダレがついていたのですが、食材本来の旨味を邪魔することなく、おでんに白味噌のコクや風味と、からし特有のピりっとした辛さをプラスしてくれるので、おでんを食べる手が止まらなくなります。この組み合わせに辛口の日本酒、もしくは讃岐ワインを合わせれば、きっと香川おでんの虜になります。
出雲おでん
・特徴:海産物が豊富な地域なので、旬の魚を使った、かまぼこ、ちくわ、などの練り物系が具材に多い
・出汁:基本、九州北部や山陰山陽地方では慣れ親しみのある“あごだし”がベース(あご→トビウオ)
・オススメの具:旬の魚を使った練り物、セリや春菊(葉物)
基本、九州北部や山陰山陽地方では慣れ親しみのある“あごだし”を出汁のベースに、旬の魚を使った練り物や他の地域では「おでんの具」として見かけることのないセリや春菊といった葉物が入っているのが出雲おでんの特徴です。日本酒発祥の地と言われている出雲には(※諸説あり)面白い日本酒が沢山あるので、お店オススメの日本酒を聞いてあっさりとした出雲おでんと合わせて食べることをオススメします。
■日本全国のご当地「おでん」を堪能する旅へ出かけてみよう
正直、ご当地おでんを求め、日本中を旅することで地域限定の味や、その土地ならではの食材、習慣、人々の個性まで知ることができるとは思っていなかったのですが、思いつきではじめた日本全国のご当地「おでん」を堪能する旅へ出かけたことで「ご当地おでん」を通して様々な日本文化も学ぶことができました。今回は「金沢」「香川」「出雲」のおでんの魅力をご紹介させていただきましたが、次回は「ご当地おでん」に合うご当地酒や、まだ踏み入れたことのない地域のおでんを探し求め旅してみたいと思います。皆さんも日本全国のご当地「おでん」を堪能する旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。きっと「おでん」を通して想像以上の出会いが待っていることでしょう。