■南米アルゼンチンで生まれ育った内気な少年（私）が、日本の伝統芸能に魅了され国境を越えた！日本ではあまり知られていない「アルゼンチン」と「日本伝統芸能」の関係
きっかけは、日本の真裏にあるアルゼンチンで開催された日系人主催のお祭りに母と参加した時のことです。ラテンアメリカと呼ばれる地域には130年以上前から多くの日系人（特に鹿児島や沖縄の方）が住んでおり、独自のコミュニティを作り上げ、盆踊り、和太鼓、琉球民謡、エイサーなどを披露するお祭りやイベントを毎年各地で開催しているのですが、私が母と参加したお祭りでは和太鼓が披露されていました。体の奥に響く力強い音色や、パフォーマンスから目が離せなくなった私は一瞬で和太鼓の虜になり、母に頼んで和太鼓チームの練習へ参加するようになったのですが、「型」を覚えることから始まり、次に「リズム」、「掛け声」、「唄」を覚え、人前で披露できるようになるまで、1年以上かかりました。しかし、この和太鼓がきっかけでアルゼンチン中の街へ行ったり、知らない人の前で和太鼓を披露したことで自分自身に自信が持てるようになったり、太鼓を通じて友達を作ることもできたり、もっと日本の伝統芸能を知りたいと遠く離れた日本へ留学することも出来ました。
■和太鼓の魅力はこれ！！バチ（棒）から伝わる和太鼓の音色
バチ（棒）が綺麗に和太鼓の中心へ当たると、和太鼓全体に広がった音色がバチ（棒）から自分の腕を伝って身体中に響くので、普段内気で人前に出るのが苦手な人でも私の様に、おさえていた感情を爆発させ、力強い掛け声を出すことができるようになります。言葉であの瞬間の出来事を表現するのは凄く難しいのですが、音色が身体中を駆け巡りビリビリ響く感覚を1度体験すると癖になりますよ。
■きっかけは、よみうりランド。和太鼓の次は夏の風物詩、沖縄伝統芸能「エイサー」！！
最初の方でも書いたのですが、アルゼンチンで生活をする日系人の中は沖縄にルーツを持っている方が多いため、私が通っていたアルゼンチンの学校では、沖縄伝統芸能のエイサーも習う機会が何度かあったのですが、日本へ留学して遊びに行ったよみうりランドでエイサーチームのパフォーマンスに惚れ込み、なんと和太鼓ではなく「琉球舞団 昇龍祭太鼓（Ryukyubudan Shoryumatsuridaiko）」というチームに所属することにしました。
※エイサーとは沖縄の伝統芸能のひとつで、現在は古典的な意味をそのまま引き継いだエイサーから、独創的な解釈で親しみやすく表現した創作エイサーまで様々なジャンルのエイサーが存在します。ちなみに私が所属している「琉球舞団 昇龍祭太鼓」は、琉球太鼓、旗、獅子、龍、扇子、鳴子（なりこ）などの道具を使った動きと、空手の型や棒術の力強い動きを取り入れた創作エイサーです。
■沖縄伝統芸能「エイサー」の魅力はこれ！！ チームの花形大太鼓と、躍動感ある動きを披露する締太鼓！！
大太鼓（おおだいこ/ウフデーク）：隊列の先頭に立つ旗頭に続いて現れる大太鼓は、力強い音でチーム全体を引っ張る花形（エース）です。大きな太鼓を持ちながら踊る姿はとても勇ましく惚れ惚れすることでしょう。
締太鼓（しめだいこ/シメデーク）：直径30㎝の平たい小型の太鼓を左手に持ち右手に持ったバチ（棒）でリズムを刻みながら躍動感ある動きを披露するエイサーの華です。
この2つはチーム全体の軸です。長年の経験や体力が必要となるため、任されるようになるまで何年も練習をする必要があります。もちろん、パーランクー（エイサー太鼓の中で1番小さな片面張りの太鼓）や、旗、獅子など魅力的な物は沢山あるのですが、他の伝統芸能ではなかなかみることができない部分だと思うので、エイサーをご覧になる際は特に注目していただきたいです。
■22年の夏「新宿エイサーまつり」の開催が決定！今年の夏は一緒にイヤァサッサッサ～！！
なんと！なんと！なんと！今年の夏、「新宿エイサーまつり」の開催が決定しました！と同時に、私の所属しているチーム「琉球舞団 昇龍祭太鼓（Ryukyubudan Shoryumatsuridaiko）」の出場が決まったので、私の日本初舞台も決定しました。新型コロナウイルス感染症拡大以降、殆どのイベントが中止だったため、人前で披露することができなかったのですが、今年の夏は想いをこめて踊りたいと思います。まだ、大声を出すことは難しいですが、指笛やエイサー太鼓の音色に合わせ、一緒に盛り上がりましょう！
■「新宿エイサーまつり」
日程：2022年7月30日(土) 13:00～16:00
会場：新宿駅東口一帯
所属チーム名：琉球舞団 昇龍祭太鼓（Ryukyubudan Shoryumatsuridaiko）
※詳細は「新宿エイサーまつり」のHPをご覧ください。