■自己紹介
Aayubowan (アユボーワン: こんにちは)スリランカからの留学生バーギャ・カハタガハワッタです。私は幼い頃から日本の文化や言語に興味があり、中学生の頃から独学で日本語を勉強していました。そして、2019年9月に金沢大学で環境工学の修士課程を取得するために来日し、修士課程終了後は1度帰国。その後、2023年9月からまた新たに京都大学の都市経営学科の博士課程を取得するため来日しました。私は昔から日本で生活することが夢の1つだったので、今この土地で日本の文化に触れながら工芸品を作ったり、伝統文化を体験したりできることに毎日幸せを感じています。そこで今回は私がこれまで日本で体験してきた伝統文化の中から、石川県小松市にある工芸体験施設、加賀 伝統工芸村「ゆのくにの森」で体験したことについて紹介したいと思います。
■加賀 伝統工芸村「ゆのくにの森」とは?
・加賀の伝統工芸を守り、促進し、鑑賞することを目的としたテーマパーク
・石川県が全国に誇る約50種類以上の伝統工芸体験が楽しめる
・江戸末期からの茅葺き屋根の古民家が沢山ある
■加賀 伝統工芸村「ゆのくにの森」の魅力
「ゆのくにの森」最大の魅力は、この場所へ訪れた観光客が誰でも気軽に伝統工芸体験できることです。日本と同様、スリランカにも漆製品(lacquerware)・宝飾品(jewel)・レース(lace)・ろうけつ染めの布地バティック(Batik)といった素晴らしい伝統工芸品はあるのですが、スリランカでは閉鎖的な空間で伝統を引き継ぐことが多かったため、伝統工芸品が観光や経済に直接関わる機会も減り、今では長年続いた伝統が途絶えそうになっています。さらに、スリランカで生まれ育ったとしても一般人がスリランカの伝統工芸を学んだり体験したりする機会は、ほとんどありません。 しかし、今回ご紹介する「ゆのくにの森」では国籍や年齢問わず誰でも伝統工芸品に触れ、学ぶことができます。その結果、この場所へ訪れた観光客がこの土地の歴史や伝統を深く理解し、好奇心を抱くことに繋がっています。私はこの場所へ訪れ、「ゆのくにの森」のようなシステムこそが地元の人々の収入源となり、世界中の伝統文化や工芸品を守るきっかけになると強く思いました。
■「ゆのくにの森」オススメ体験①:蒔絵体験(まきえたいけん)
「蒔絵」とは、漆器に飾りを加えるための伝統的な技法の1つです。蒔絵体験では、トレー・丸盆・お弁当箱(全3種類)の中から1つ素材を選び、カシュー塗料を使って文字や絵を描きます。私は丸盆に魚の絵を描いたのですが、自分で絵付けした漆器を自分の食器コレクションに加えることができると考えただけで、とてもワクワクしました。
■「ゆのくにの森」オススメ体験②:紙漉き体験(かみすきたいけん)
「紙漉き(かみすき)」とは、1000年以上続く日本独自の伝統的な製紙技術です。「ゆのくにの森」では、「楮(こうぞ)」の繊維を水に溶かしたものと、「トロロアオイ」から抽出された「ネリ」と呼ばれる粘りの強い液体を混ぜ入れたものを「漉桁(すきげた)」という紙漉きの道具ですくって和紙を作ります。私は、体験前から和紙が日本独自のものだと知っていたので、今回体験できることをとても楽しみにしていたのですが、「漉桁(すきげた)」という紙漉きの道具を使ったり、紙漉きを終えた後の紙に押し花を置いたりする作業に少し苦戦しました。しかし、とても満足できる作品を完成させることができたので嬉しかったです。紙漉き体験は他の体験よりも少し時間がかかってしまうのですが、完成した時に得られる達成感は格別です。皆さんも是非体験してみてください。
■加賀 伝統工芸村「ゆのくにの森」へ行く時の注意点
・入村料金 大人550円が必要です ※24年7月時点)
・入村料金とは別に体験料金が必要です
・営業時間はAM9:00~PM4:30までです
※入村はPM4:00まで、体験受付はPM3:00まで
・毎週木曜日は定休日です ※祝日と夏季期間は営業
・人気の創作体験は当日予約が必要です
・詳しいアクセス方法を知りたい方はコチラをご覧ください
■まとめ
今回は、私がこれまで日本で体験してきた伝統文化の中から、石川県小松市にある工芸体験施設、加賀 伝統工芸村「ゆのくにの森」で体験したことについて紹介しましたがいかがだったでしょうか?。石川県には36種類(国指定:10種類・県指定:6種類・希少伝統的工芸品:20種類の合計36種類)もの伝統工芸品があり、「ゆのくにの森」では50種類以上の伝統工芸体験に挑戦することができます。とても魅力的な場所だと思いませんか?
留学生や外国人観光客の中には、私と同じように日本の文化や伝統工芸品に興味を持っている方が多いと思います。しかし、ほとんどの方は「ゆのくにの森」のような素晴らしい体験スポットがあることを知らないと思います。この場所へ訪れれば、美しい自然の中で誰でも伝統工芸体験に挑戦することができますよ。また、日本人も自分の国の美しい伝統文化を深く知るきっかけになると思うので、石川県を訪れる際は是非、加賀 伝統工芸村「ゆのくにの森」も訪れてみてください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。