オススメの場所
2024.05.10

ハンガリーの出身の私が日本でオススメしたい場所:京都府 元離宮二条城(通称:二条城)

 皆さん、sziasztok(シアストク: こんにちは)!2022年の10月に留学生として来日した、ハンガリー出身のアンナです。前回は、栃木県さくら市のツアーに参加して気づいたことをご紹介しましたが、今回は日本の歴史について深く学べる場所、京都府にある元離宮二条城(通称:二条城)についてご紹介したいと思います。

■元離宮二条城を紹介したい理由




 今回、私が二条城を紹介したいと思った理由は、日本の伝統や歴史の素晴らしさを体験できる場所の中で、最も価値のある場所だと思ったからです。元々この場所は、265年続いた江戸幕府を最初に築いた徳川家康という人物が、天皇のお住まいだった京都御所を警備したり、将軍が江戸から京都へ訪れた時に宿泊したりする場所として建てたのですが、江戸幕府3代将軍の徳川家光が、後水尾天皇(ごみずのおてんのう)の外出に合わせて二条城を大きくリフォームしたため、とても豪華な建物になりました。さらに、この場所は江戸時代以降何度も歴史の大きなターニングポイントとなった場所なので、この場所を訪れれば日本の歴史も一緒に学ぶことができます。そこで、今回は私が学んだ日本の歴史も紹介しながら二条城の魅力をご紹介します。

※この時の将軍とは徳川家のことです
※後水尾天皇の外出に合わせて二条城を豪華にリフォームしたと紹介しましたが、江戸時代の天皇は京都御所から外出することがほとんどありませんでした。そのため、天皇が御所を出て二条城を訪れるということは徳川幕府にとって、自分たちの権力を天皇に見せつける最大のチャンスだったということです

■二条城の魅力①二の丸御殿(国宝)の正門「唐門(からもん)」




・1626年:完成
・1944年:国の重要文化財に指定

 この唐門は、今から約400年前、後水尾天皇の外出に合わせて二条城をリフォームした時に造られたのですが、上の写真をご覧ください。とても鮮やかで豪華だと思いませんか?唐門には魔除けの役目で「唐獅子」、長寿を意味する「亀」や「鶴」など37個の彫刻がはめ込まれており、全て今にも動き出しそうなほどの迫力があります。現在の唐門は2013年に修復工事が実施されたばかりなので、当時と同じ輝きを保った状態の唐門を見ることができます。二条城へお越しの際は、時間をかけ、様々な角度から唐門を観察してみてください。(※注意:門を見上げすぎて首を傷めないようにしてください)

唐門の楽しみ方:2013年に保存修理工事をした際、金具の下から葵紋(あおいもん)の彫刻が発見されたそうです。葵紋といえば徳川家の家紋ですよね。この家紋は1867年の大政奉還以降、徳川家から朝廷に政治権力を返した際、徳川家の家紋「葵紋」から天皇家の家紋「菊紋」へと変わったのではないかと言われています。現在は菊紋しか見ることができないのですが、菊の紋の下には葵紋が隠れているという秘密を知っている人は少ないと思うので、覚えておけば他の人とは違った楽しみ方ができます。

歴史の話:大政奉還(たいせいほうかん)とは、政治権力を徳川幕府から天皇に返した出来事のことです。じつは、「大政奉還」がおこなわれるまで、日本で1番政治権力を持っていた人は天皇ではなくサムライでした。このサムライを中心に政治をおこなう仕組みは鎌倉時代から江戸時代後半までの約700年間続いていたので、1867年の大政奉還は日本の歴史が大きく変わった出来事でした。

■二条城の魅力②二の丸御殿(国宝)の大広間

 現在、二の丸御殿の中は誰でも見学できるのですが、この場所へ訪れた時は、二の丸御殿の真ん中にある「大広間」に注目してください。なぜなら、二の丸御殿の大広間は、江戸幕府15代将軍、徳川慶喜が大名たちに大政奉還を表明した場所だからです。この他にも、二の丸御殿の壁や屏風のデザインは、幕府の御用絵師集団として有名な「狩野派」が制作しているため、どこを見学しても日本トップクラスの芸術作品を見ることができます。このような場所を一般人の私たちが見学できるなんて、珍しいと思いませんか?何も知らずに見学していると見落としてしまいそうですが、少しでも歴史を知っていれば何も知らずに訪れた人と違った楽しみ方ができるので、この場所へ訪れる時は少し歴史を調べてから訪れて見てください。

※「御殿(ごてん)」とは、身分の高い人の家、または造りが豪華な家のことです
※二の丸御殿は江戸時代初期に建てられた日本建築史上重要な建物で、日本国内にある城の中で唯一当時のまま残っている御殿です。そのため、国宝に指定されています
※「大名(だいみょう)」とは土地を所有する身分の高いサムライのことです

■二条城の魅力③二の丸御殿(国宝)にある3つの庭園





・特別名勝指定庭園 「二の丸庭園(にのまるていえん)」
・芝庭風の築山式庭園 「本丸庭園(ほんまるていえん)」
・和洋折衷庭園 「清流園(せいりゅうえん)」

 二条城には、1626年の後水尾天皇外出に合わせて大きくリフォームされたのではないかと言われている特別名勝指定の二の丸庭園や、1895年に明治天皇の命によってリフォームされた芝庭風の築山式の本丸庭園、戦後の1965年に日本風と西洋風の様式を程よく取り混ぜてつくられた清流園と3つの庭園が存在します。

 私のオススメは日本風と西洋風の様式を程よく取り混ぜてつくられた清流園です。なぜなら、清流園の中にある茶室「和楽庵」では美しい庭園を眺めながら日本のスイーツやお茶を楽しむことができるからです。さらに、早春や初夏の時期になると通常非公開の「香雲亭」では、期間限定で庭園を眺めながら季節の京料理を楽しめるイベントが開催されます。このイベントは期間限定で予約が必要ですが、もし予約できたら特別な体験ができるので、7月頃に二条城へ行く際は、ホームページに掲載されているイベント情報を確認してみてください。

日本庭園の楽しみ方:日本庭園は大きく分けて「池泉庭園(ちせんていえん)」「枯山水(かれさんすい)」「露地(ろじ)」の3つに大きく分類されます。このことを少しでも理解した後に二条城の庭園を見れば、他の観光客よりも日本庭園の素晴らしさに気付くことができると思うので、是非調べてみてください!

・池泉庭園:水を中心とした景観を持つ庭園のこと
・枯山水 :砂や小石を用いて山水の風景を表現する庭園のこと
・露地 :茶室に付属する庭園のこと(別名:茶庭)

イベント情報:二条城では毎年、様々なイベントが開催されるのですが、その中で最もオススメしたいイベントは春の「二条城桜まつり」です。二条城内には早咲きから遅咲きまで、50品種約300本の桜があるので、他の有名スポットとは違い、桜まつり期間中(約1ヶ月)いつ訪れても桜を楽しむことができます。また、夜になるとプロジェクションマッピングや桜のライトアップが開催されるので、気になった方はぜひ、二条城のホームページ内にあるイベント情報を確認してみてください。

■公式の英語ガイドツアー情報

 二条城では、音声ガイド機の貸し出し(有料)や、公式ガイドが分かりやすく解説してくれる日本語のガイドツアーと英語のガイドツアーがあります。このツアーに参加すると非公式エリアの案内もしてくれるので、かなりお得です!英語のガイドツアーは日本語ガイドツアーよりも少し値段が高いですが、日本の歴史について深く知ることができるのでオススメです。

・音声ガイドの貸し出し(有料)について知りたい方はコチラをご覧ください。
・公式ガイドツアーについて知りたい方はコチラをご覧ください。

■まとめ




 今回は日本の歴史について深く学べる場所、京都府にある元離宮二条城(通称:二条城)についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?天皇や将軍が実際に住んだ場所や国宝と呼ばれる場所には普段なかなか入ることができないと思うのですが、元離宮二条城なら日本の歴史だけではなく、文化、芸術と様々なものを見ながら学ぶことができます。皆さんも是非、元離宮二条城へ訪れてみてください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

ヤマナカヴァルガ アンナ エメシェ

国・地域
ハンガリー
居住地
千葉県
得意カテゴリ
オススメの場所

会員登録すると
アルバイトに応募したり、おすすめ情報をメールで受け取ることができます。

You can apply and get some recommended newsletter if you register.

Free!
会員登録(Register)