オススメの場所
2024.04.01

スリランカ出身の私が日本で見つけたおススメの場所:群馬県 高崎市 少林山達磨寺

■自己紹介

 ආයුබෝවන්(アーユボーワン:こんにちは!)スリランカ北西寄りの内陸部に位置し、スリランカの文化と歴史を象徴する古代の都市遺跡や寺院、宮殿などが数多く残っている重要な都市“クルネーガラ”の近くにある小さな村で生まれ育ったチャマーリ・アトゥコーララです。私のフルネームはとても長いので、日本人の友達は私のことを“チャマリ”と呼んでいます。皆さんにも“チャマリ”で覚えていただけたら嬉しいです。

 私は、幼い頃にスリランカで放送されていた日本のドラマ「おしん」を見て、日本に対して興味を持つようになりました。なぜなら、明治から高度成長期と言われた昭和にかけての日本で、どんなに困難な状況でも立ち向かい自分の信念を貫く主人公の姿に強く魅了されたからです。そこから月日は流れ、大学生の時に日本へ留学するチャンスを得たので、2014年に日本語・日本文化研修留学生として1年間、群馬大学へ留学し、1度スリランカへ戻って地元の大学を卒業したあと、環境問題や国際関係などについて学べる一橋大学の大学院修士課程へ進学するため、2020年に再び日本へ留学しました。ちなみに現在は、日本にあるネットワーク系の会社で働いています。

 私は日本で生活を始めてから今年で5年目ですが、この間に様々な場所へ行った経験があります。そこで今回は私が実際に訪れたことのある場所の中から、群馬県高崎市にある少林山達磨寺についてご紹介したいと思います。

■群馬県高崎市にある少林山達磨寺

名 前:少林山 達磨寺/ Shorinzan Daruma Temple
宗 派:黄檗宗/おうばくしゅう
祀られている仏様:十一面観音/達磨大師/北辰鎮宅霊符尊
ご利益:家内安全・商売繁昌・良縁成就・安産吉祥
少林山達磨寺で有名なもの:縁起だるま

少林山達磨寺のホームページ

■少林山達磨寺のオススメポイントは2つ!!

オススメポイント①美しい景観と本堂に奉納された沢山の「だるま」




 少林山達磨寺の本堂へたどり着くには、総門から続く長い階段を登らなければなりません。しかし、少林山達磨寺の境内から見下ろす高崎市の景色は、言葉では簡単に言い表せないほど心癒される美しい景色なので、諦めずに登ってほしいです。さらに、先へ進むと本堂の端から端まで色とりどりの「だるま」がギッシリ詰まった光景を見ることができます。この光景も言葉では言い表すことが難しいのですが、他のお寺ではなかなか見ることのできない圧巻な光景なので、ここへ訪れたら様々な角度から本堂を眺めてみてください。

オススメポイント②「縁起だるま」発祥の寺で“だるま絵付け体験”ができる




 私の母国、スリランカには“Nawarathna(ナワラトゥナ)”という伝統的なお守りがあるのですが、少林山達磨寺にも“縁起だるま”と呼ばれる縁起を担いで願い事を叶えてくれるお守りがあります。しかも、この「だるま」と呼ばれる可愛い人形は少林山達磨寺発祥なので、他の場所で購入するだるまよりもご利益があると思います。ちなみに、だるま絵付け体験は、お寺の境内にある売店「だるだる」で誰でも体験することが可能です。既に絵付けされた「だるま」を購入するのもいいですが、自分で一生懸命デザインした「だるま」を完成させれば達成感も得られるので、是非、少林山達磨寺へ行った際は世界に1つだけの「縁起だるま」を作ってみてください!

※「縁起だるま」の描き方は教えてもらえるので安心してください
※体験できる時間はAM10:00~PM3:00までです
※絵付け体験料金は1,000円~1,500円です

■「縁起だるま」が誕生した理由




理由:大飢饉で苦しむ農民たちの魔除けと復興支援

 私は日本へ留学する前に、先に日本への留学を経験したスリランカ人の友達から真っ赤な「だるま」をプレゼントされたことがあります。しかし、当時は「だるま」の意味も知らず、スリランカでは見たことのないデザインだったので、”可愛い人形として家に飾っていました。あの頃の私は意味を知らないままでしたが、今回、少林山達磨寺へ行き、「だるま」が誕生した理由を学んだので、ここで少し「縁起だるま」について皆さんにご紹介したいと思います。

 「縁起だるま」が誕生したのは江戸時代中期(1782年頃)です。その頃の日本では大飢饉が発生していました。原因は東日本を中心とした冷害や悪天候と、疫病の蔓延です。結果、春になっても夏になっても冬のような寒さが続いたり、悪天候で農作物が育たなかったり、感染症や流行病といった疫病が発生し、多くの人は生活することが困難になりました。さらに、青森県弘前市にある岩木山と群馬県吾妻郡にある浅間山が噴火し被害は拡大。

 そんな時に、当時の達磨寺9代目住職、東嶽 和尚(とうがく おしょう)が願いを込めて中国禅宗の開祖であり、日本においても大変尊敬されている歴史的な人物、インド人仏教僧「達磨太師(だるまたいし)」の座禅像を元に木型を掘りました。そして、近くに住んでいた農民たちに、「縁起だるま」の作り方を教え、お正月に販売することを提案しました。それ以降、達磨太師の座禅像は日本の伝統的な縁起物として有名になりました。これが、「縁起だるま」が誕生した理由です。「縁起だるま」が誕生した理由や、当時の時代背景を知ると、可愛い人形だと思っていたものが、特別なものに思えませんか?「縁起だるま」のことをもっと詳しく知りたい方は是非「縁起だるま 誕生の理由」と検索してみてください。

■少林山達磨寺の達磨と他の場所で購入できる達磨の違い




少林山達磨寺の達磨の眉毛と口髭に注目してください。
少林山達磨寺「縁起だるま」の顔には

・眉毛→鶴/crane
・鼻から口髭→亀/turtle

が向かい合って描かれているのがわかりますか?日本では昔から「鶴は千年、亀は万年生きる」という言い伝えがあり、“長寿の象徴”、または“縁起のいい動物”と言われています。さらに、縁起だるまは顔の輪郭に「家内安全」「開運吉祥」「商売繁盛」といった願い事が描かれており、上の図の「少林山」と描かれた部分に「福入」と描かれています。他のところで販売されているものも縁起だるまと似たデザインですが、だるまの顔を見比べてみると、すぐに違いがわかります。沢山の御利益を求めるなら少林山達磨寺の縁起だるまがオススメです!

■少林山達磨寺へ行くときの注意点

 少林山達磨寺は気軽に行ける場所ですが、JR高崎駅からのバスは1時間に1本しかないので、事前にバスの時刻表を確認してから行動するようにしましょう!
※時刻表の情報が知りたい方はコチラをご覧ください

■まとめ

 今回は、群馬県高崎市にある少林山達磨寺について紹介しましたが、お楽しみいただけましたでしょうか?私はこの場所を訪れ、達磨寺の歴史や、縁起だるまが誕生した背景などを知ったことで、友人から贈られた“だるま”の意味や、私の出身地であるスリランカの宗教的な考え方との違いや共通点についても理解することができました。さらに、知識を得た上で観光することが個人の成長に繋がることに気づかされました。関東在住の方であれば、群馬県高崎市までは電車で1~2時間程度で行けるので、ぜひ少林山達磨寺に訪れてみてください!最後まで私の記事をお読みいただき、ありがとうございました。

ハンサニ チャマーリ

国・地域
スリランカ
居住地
東京都
得意カテゴリ
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