突然ですが、皆さんは「福島県」にどのような印象を持っていますか?やはり12年たった今でも2011年に発生した東日本大震災や、福島第一原子力発電所事故の印象が強く残っているのではないでしょうか?最近だと、ALPS処理水の海洋放出が話題になり、「福島周辺で取れたものは食べて安全なの?」などといった不安の声もニュースなどで多く取り上げられた結果、再び福島県に関連するものにたいして不安を感じた人が多いと思います。実際、私自身も福島県へ行くまで不安がありました。しかし、今年の夏に福島県にある「環境再生プラザ」で学ぶ機会を得てからは不安を感じることがなくなりました。そこで今回は私が実際に訪れた福島県の環境再生プラザの魅力や、環境再生プラザで見て学んだことについてご紹介したいと思います。
■環境再生プラザの魅力
・福島県の環境再生に対する取り組みについて細かく具体的に学べる
・放射線の基礎知識や国内外の研究資料を実際に見て学べる
・多言語対応できるスタッフの青木さんから直接説明を受けることができる
環境再生プラザの魅力は、豊富な資料と多言語対応できるスタッフの青木さんです。ここでは、放射線の基礎知識から除染などの専門分野まで幅広く学ぶことができます。さらに、国際会議やセミナーなどで発表された研究論文なども一般公開されているのですが、1年や数カ月たった資料を公開しているのではなく、数週間内に発表された資料が公開されているため、常に新しい情報を得ることができます。この他、施設内ではスタッフの方に直接質問をすることができるのですが、スタッフの青木さんは日本語・英語・中国語と多言語対応できる方なので、より具体的に学ぶことができます。
※環境再生プラザのホームページでは、現地まで行くことができない方の為に、放射線の基礎知識や除染について詳しくまとめた資料や動画を公開しています。今回私の記事を読んで詳しく知りたいと思った方は、是非、コチラコチラをご覧ください。
■環境再生プラザで学んで強く印象に残ったこと:除染(じょせん)
私が今回、環境再生プラザで学んで強く印象に残ったことは「除染」です。東日本大震災以前の福島は、日本で3番目の広さを誇る広大な土地と豊かな自然に恵まれ、桃・梨・りんごなどの果樹産業や秋刀魚・鮪・鰈などの水産業が盛んでした。しかし、東日本大震災直後、福島県内では福島第一原子力発電所の事故により、周辺住民に“避難指示”や“屋内退避指示”が出され、福島第一原子力発電所から20~30km圏内は “帰還困難区域”になってしまった結果、福島県内で生活をしていた人たちは多くの物を失いました。ですが、12年たった今、帰還困難区域は福島県面積の2.2%にまで減り、福島県民の方たちは少しずつ元の場所に住めるようになりました。このように、生活する空間において受ける放射線の量を減らす作業のことを“除染”といいます。
想像してみてください。年末の大掃除を自宅だけではなく、皆さんが住んでいる地域全て掃除しなければならないとしたら、気の遠くなるような作業だと思いませんか?除染対象となる地域の中で優先度の高い地域から作業をはじめ、放射線を含んだ土を取り除き、建物やすべての隅々まで徹底的に清掃する。そこから、集めた土を中間貯蔵設施に保存し、環境再生による汚染土の処理作業を行います。除染する時の作業は一般家庭で行われている清掃手法とほぼ同じですが、具体的に除染作業を行う工程や規模について知ることで、どれだけ大変なことだったのか理解することができました。
―福島県に関する基本情報―
・福島県の面積:13,780km²
※日本全国で3番目に大きい県
・福島県の市町村数(2023年現在):59市町村
※台湾の国土面積:36,200km²
※1番面積の広い市:新北市2,053km²
■まとめ
今回は私が実際に訪れた福島県の環境再生プラザの魅力や、環境再生プラザで見て学んだことについてご紹介しましたが、いかがでしょうか?じつはこれまで、1945年に原子爆弾が投下された被爆都市ヒロシマやナガサキにも実際に訪れ、被爆都市で成長した植物の変化などについて自分の目で確認し、その土地で作られたものも試食して安全なことを確認しました。これで、安心して福島県産のものを購入し応援することができます。皆さんも昔の私と同じように少しでも不安を抱えている場合は、1度福島県の環境再生プラザへ行ってみてください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
―除染について学べるオススメの資料-
・環境再生プラザ 資料集
・環境省 除染情報サイト
・ふくしま復興情報ポータルサイト「除染作業の流れ」
・福島県 市町村除染の取り組み
・Google Arts & Culture「長崎の原爆と植物」