哈囉(ハロー:こんにちは)!台湾出身のチンです。前回は台湾出身の私が日本で生活をしていて困ったこと「家で料理をすること」という記事の中で、台湾と日本の食文化や生活習慣の違いについてご紹介させていただきましたが、今回は岡山県のオススメスポット吉備津神社(きびつじんじゃ)について紹介したいと思います。
最近、岡山県内でも台湾からの旅行客を見かけるようになったので、神社を訪れた時に知っておくと更に楽しめる情報もお伝えしようと思います。それでは早速、吉備津神社の簡単な説明や魅力から紹介したいと思います。
■吉備津神社(きびつじんじゃ)の簡単な説明
・御祭神:大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)
・日本のおとぎ話「桃太郎」伝説が生まれた場所
・吉備津神社の御本殿は約600年前に再建されたもの
・ご利益:縁結び、夫婦円満、延命長寿、厄除け
岡山県岡山市にある吉備津神社は、日本の童話「桃太郎」伝説が生まれた場所としても有名な神社で、吉備津神社の中心に祀られている大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)という名前の神様は「桃太郎」のモデルになったと言われています。ちなみに、近くに吉備中山(きびのなかやま)という名前の山があるのですが、この山は山全体が神様として、昔から大切にされています。
※吉備津神社を詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
※日本の童話「桃太郎」がどんな話なのか詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
■吉備津神社へ行こうと思った理由
じつは、私が吉備津神社へ行こうと思った理由は、台湾から岡山県へ遊びに来た友達がこの場所へ行こう!と提案してくれたからです。それまでは、吉備津神社の名前は知っていても、私には4歳になる子供がいるので、“小さな子供の体に負担がかからない場所”を意識して目的地を選んだ場合、岡山市内からとても離れた場所にあるイメージだった吉備津神社は子供を連れて行く場所ではないと思っていました。しかし、友達からの提案をきっかけに色々調べてみると岡山市内から電車で30分、乗り換えなしでたどり着けることを知り、友達と一緒に吉備津神社へ行くことにしました。
■吉備津神社の魅力は2つ!
①国宝に指定されている「比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)」、または「吉備津造(きびつづくり)」と呼ばれる建築様式
②360mの美しい回廊
吉備津神社は今から約600年前の1425(応永32)年に再建された神社です。少し難しい名前ですが比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)と呼ばれている屋根は、入母屋(いりもや)の屋根が2つ、アルファベット「M」のように並んで1つに結合された形の建築様式のことで、この複雑な構造の屋根にすることで建物全体をしっかり何百年も守ることができるそうです。実際、自然災害が多い日本で約600年もの間、1度も壊れることなく建っていることを考えると本当に凄いですよね。ちなみに、本殿を支える土壇は(※建物の下、白い部分です)亀のお腹に似ているので「亀腹」(かめばら)というそうなのですが、お寺造りではなく神社造りで使われるのはとても珍しいことだそうです。吉備津神社へ行かれた方は本殿の上から下まで見落とさないようにしてくださいね!
この他にも、360mの美しい回廊は、今から450年前の1573年(天正元年)から20年かけて作られた木造建築で、現在は岡山県の重要文化財に指定されているのですが、美しい曲線の回廊は圧巻です!この場所へ訪れただけで、タイムスリップしたような気持ちになることができます。吉備津神社内にある建築物は全て何百年もの間この場所にある国宝ばかりなので、先程紹介した本殿と同様、見落とさないように気を付けてください!
■不思議な体験
吉備津神社の最寄り駅「吉備津駅」はJR吉備線(愛称:桃太郎線)が通っている無人駅です。無人駅の吉備津駅へ着いた瞬間の感覚をどのような言葉で表現すれば理解してもらえるのかわからないのですが、「千と千尋の神隠し」というジブリ作品の中で、主人公の千尋が電車に乗って銭婆に会いに行くシーンを見て感じた感覚と凄く似ていました。 私達が吉備津駅に着いたのは、周辺の飲食店や売店が閉まる遅い時間帯だったため観光客もほとんどいなかったのですが、駅から参道を通って本殿へ向かう道も少し肌寒く、ゆったりとした静かな時間が流れていて少し緊張するような神秘的な感覚を、からだ全体で感じることができました。
■一緒に訪れた友達の感想
吉備津神社まで続く美しい松並木の参道を、松ぼっくりを拾ったり、石で造られた鳥居や遠くにある山々を眺めたり、台湾では見ることのできない風景を写真に収めたりしながら歩きました。ここは、時間を気にせずのんびり歩くのに最適です。私達が訪れた日の朝は雨がたくさん降ったので、吉備津神社内には私達しかいなかったのですが、逆にその静けさが心地よく、神秘的だと感じました。
この他、私はこの場所にある美しい木造の回廊を見ることが1番の目的だったのですが、この場所へ行く前に広島の宮島で足首を捻挫してしまい、上り下りの多いこの場所を楽しむことができるのか少し不安でした。しかし、好奇心と初めて見る美しい景色に心惹かれ歩いていたら無事回廊を往復して本殿へ辿りつくことができました。きっと、この時に体験した感覚と同じで、人生も困難な状態に背を向けるのではなく、常に「楽しい」「幸せ」「喜び」といった気持ちを忘れずにチャレンジし続けたら、たとえ困難な壁でも乗り越えていけるのだろうということに気付かされました。今回は美しい紫陽花を見ることが出来なかったので、次は美しい紫陽花が満開の時期に訪れたいです。
■この場所へ訪れた時の注意点:参拝方法
神社へ訪れたら入口付近にある手水舎で手を洗い、口をすすぎます。(※台湾ではお寺へ行く人が多いですが、日本のお寺や神社での作法は違うため、間違わないように注意してください)その他、吉備津神社では本殿で軽く会釈をしてから賽銭箱に賽銭を入れ、鈴を鳴らして「二拝二拍手一拝」の作法で拝礼し、軽く会釈をします。どんな国でも色んな宗教事情がありますが、神様に尊敬する気持ちを持って参拝することが何よりも大切だと思います。皆さんも是非、参拝方法を学んでから訪れるようにしてください。
■まとめ
今回は台湾の友達と久しぶりに日本国内観光をすることができて本当に幸せな時間でした。美しい松木並に癒され、吉備津神社からたくさんパワーをもらいました。そして、吉備津神社のおかげでもう1度岡山県に惚れ直すことができました。岡山県には京都や奈良のように派手な観光スポットはありませんが、人の多さや流行に惑わされず、ゆっくり日本の文化を堪能できる場所があるので、皆さんも是非岡山県へ遊びに来てください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。