エンタメ
2023.04.11

中国出身の私がオススメする日本のエンタメ:阿波踊り

 皆さん、こんにちは!中国出身の留学生、サ ゲイキンと申します。私は2020年の11月に来日したのですが、気が付けば日本での生活も2年を過ぎてしまいました。(時が立つのは早いですね)この2年間、世の中では様々なことが起こり行動を制限されることも多かったのですが、そんな中でも私は以前から興味のあった日本伝統文化とダンスを組み合わせた日本の伝統芸能「阿波踊り」と大学のサークルで出会い、2022年の夏、関東学生合同連の一員として阿波踊り発祥の地、徳島の演舞場で阿波踊りを披露することができました。そこで、今回はこの経験を活かし、この記事を読んでくださっている皆さんに「阿波踊り」の魅力を伝えたいと思います。記事を読み終わった後に「阿波踊りのことをもっと詳しく知りたい!」「私も阿波踊りに参加したい!」と思ってくださる方がいたら嬉しいです。

■阿波踊りの魅力:誰でも気軽に楽しめる日本伝統芸能




 「日本の伝統おどり」といえば、夏祭りでよく見かける「盆踊り」を思い浮かべる人が多いと思うのですが、実は今回ご紹介する徳島県の伝統芸能「阿波踊り」は秋田県の伝統芸能「西馬音内の盆踊り(にしもないのぼんおどり)」、岐阜県の伝統芸能「郡上おどり(ぐじょうおどり)」と合わせて「日本3大盆踊り」と言われています。

 しかし伝統芸能や踊りと聞いた瞬間、「何年も時間をかけて基礎を学ばなければできない」「伝統的な決まり事が沢山あって、完璧に踊るためには才能が必要だ」と思いませんでしたか?じつは、私も阿波踊りをはじめるまではそう思っていました。なぜなら私の故郷中国の古典舞踊では体の柔軟性と難易度の高い動作の訓練が必要だからです。しかし、阿波踊りは違います。阿波踊りは400年以上の歴史ある踊りにもかかわらず、老若男女問わず誰でも気軽に楽しめる比較的自由度の高い伝統芸能です。さらに、踊り方には「男踊り」と「女踊り」の2種類あるのですが、名前に男や女がついているだけで、性別関係なく女性が男踊りをすることも出来ます。(私は元気でパワフルな踊りを求め「男踊り」に挑戦しています)

 たしかに、阿波踊り3代主流と呼ばれる「のんき調」「娯茶平調(ごぢゃへいちょう)」「阿呆調(あほうちょう)」を極めたプロになるためには長い時間と努力が必要です。(プロの方が躍る阿波踊りはとてもカッコいいですよ!)しかし、阿波踊りは上手い下手よりも、心の底から楽しみ皆で踊ることが大切なので、阿波踊りを見かけたら恥ずかしがらずに参加してほしいです。

■知れば阿波踊りがもっと楽しくなる!かんたん豆知識




・阿波踊りは400年以上続く四国、徳島県の伝統芸能
・昔徳島県が「阿波国(あわのくに)」と呼ばれていたことから昭和以降「阿波踊り」と呼ばれるようになった
・徳島での開催時期は毎年8月12日から8月15日までの4日間
・阿波踊りの流派は「のんき調」「娯茶平調(ごぢゃへいちょう)」「阿保調(あほうちょう)」3つ
・踊り方は「男踊り」と「女踊り」の2種類
・阿波踊りではチームのことを「連(れん)」と呼ぶ (例:大学のサークルなどで結成した「大学連」)
・阿波踊りで使用する楽器のことは「鳴り物(なりもの)」という

阿波踊りの囃子は「ぞめき」

 日本の古典芸能「歌舞伎」「狂言」「長唄」などでは、拍子をとったり、気分を出したりするために使う音楽のことを「囃子(はやし)」というのですが、阿波踊りでは代表的なお囃子をまとめて「ぞめき」または「ぞめき囃子」と呼びます。ちなみに、「ぞめき」とは浮かれて騒ぐという意味です。しかし、はっきりとした定義がないので、連によって色んな「ぞめき」が存在します。

 「ぞめき」では鉦(しょう:皿型の鐘のこと)、鼓(つつみ)、締太鼓(しめだいこ)、大太鼓(だだいこ)、笛(ふえ)、三味線(しゃみせん)を使用し、2拍子で「チャンカチャンカチャンカチャンカ」と軽快さや陽気さを表現するのですが、中国古典舞踊では筝(こと)、二胡(にこ)、琵琶(びわ)などの民族楽器を使う場合が多く、古典芸能に関する音やリズムの共通点や違うところに気付くと更に面白く感じました。

阿波踊りの掛け声は「ヤットサー」「ア、ヤットヤット」

 阿波踊りの始まりや途中で「ヤットサー」という掛け声が登場するのですが、「ヤットサー」という掛け声が聴こえたら「ア、ヤットヤット」と掛け声が続きます。何と言っているのかがわかると面白いですよね?これは、「元気ですか?」「久しぶりですね!」と言った意味があり、中国語でいうと「好久不见」または「你好吗?」英語でいうと「What's up?」みたいな感じです。

この他にも、長い掛け声だと、
・「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!」
・「一かけ二かけ三かけて、仕掛けた踊りはやめられぬ。五かけ六かけ七かけて、やっぱり踊りはやめられぬ♪」
といった掛け声もあります。何が言いたいのかというと「とりあえず踊れ!」といった感じです。皆さんも阿波踊りを見る時は掛け声に合わせて体を揺らしたり、手の動きを真似てみたりしてください。

■人生初!阿波踊りの本場、徳島県徳島市で阿波おどり!!






 2022年の夏、私は関東学生合同連の一員として徳島へ遠征し、念願だった本場徳島市の演舞場で踊ることができたのですが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止、2021年は規模を縮小しての開催だったこともあり、3年ぶりの通常開催となった2022年は会場のボルテージが最高潮に達し、とても盛り上がりました。演舞場での披露が終わった後も、空いているスペースで円陣を組んで踊る「輪踊り」をやっていたのですが、お酒を飲みながら幸せそうに私達の「輪踊り」へ混ざり、心の底から阿波踊りが好きで、その思いを全身で表現するおじいさんの笑顔や参加者たちの体中から溢れる熱気、あの時に見た光景を私は一生忘れないと思います。

※この「輪踊り」の時は、誰でも参加することができます。阿波踊りを踊ったことがない人でも両手を挙げて、腰を少し落とし、リズムにのるだけでOK!皆さんも輪踊りを見つけたら是非参加してみてください!踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!

■まとめ






 今回は、誰でも気軽に楽しめる日本伝統芸能「阿波踊り」の魅力についてご紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか?踊ってみたい!盆踊りに参加したい!と思いましたか?私が初めて阿波踊りに触れたのは大学の阿波踊りサークルの活動写真や動画でしたが、「着流し(ゆかた)」や「ハッピ」を着て楽しそうに踊る先輩達の姿に心奪われ、「踊りができる」「踊りができない」などを考えずに夢中で阿波踊りサークルへの入部を決めました。毎週、日曜日の練習会が楽しみで、最初は1番基礎の2拍子の取り方から学んで、上半身の動きを覚えて1つ1つ習得しました。まだ阿波踊りを始めてから日が浅いですが、今回の記事を読んでくださった皆さんに阿波踊りの魅力を感じていただけたら幸いです。

 もし記事を読んで少しでも興味があれば、まずはYouTubeなどで「阿波踊り」を検索してみてください!徳島県で開催される阿波踊りは鳥肌がたつくらいカッコいいですよ!きっと、徳島県まで行ってみたくなると思います。もし、徳島まで行ってみたいけど時間がないと思った方でも大丈夫です。阿波踊りは日本全国で阿波踊り大会が開催されているので、徳島県まで行かなくても阿波踊りを楽しむことができます!関東なら「日本三大阿波踊り」と呼ばれている「南越谷」(埼玉県)や「高円寺」(東京都)でのお祭りがあります!ぜひお時間のあるかたは行ってみてください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

サ ゲイキン

国・地域
中国
居住地
東京都
得意カテゴリ
エンタメ

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