インタビュー
2022.03.29

中国出身の私が日本で興味を持ったもの:日本の鉄道文化

■神秘的で壮大な風景を見ることができる場所

 中国の東部、浙江省(せっこうしょう)出身のチョウタクシです。私の生まれ故郷、浙江省の有名なものは、2011年にユネスコの世界文化遺産に指定された浙江省杭州市(こうしゅう)に位置する1周約15kmの湖、「西湖(せいこ/シーフー)」です。浙江省の近くには近未来的な風景が広がる大都会上海がありますが、西湖の風景はそれとは真逆で、何千年も前の世界に迷い込んだような神秘的で壮大な風景を見ることができるのでとてもオススメですよ。

■日本のアニメは私にとって初めて触れた海外の文化だった

 日本への留学を決めた理由は色々あるのですが、物心ついた頃には身近にあった日本のアニメが好きだったことと、中国と日本が近かったことが大きな理由ですね。特に日本のアニメは私にとって、初めて触れた海外の文化で、これがもし欧米の作品なら文化や考え方の違いが大きいと感じていたのかもしれないのですが、同じアジアの作品だったので初めてふれた異文化でも身近に感じ、興味を持つことができました。普段はジャンルに問わず、平和な内容の作品を好んで見るのですが、ここ数年は平和とは程遠い内容の作品「進撃の巨人」も好きです。あと、日本への留学を決めたもう1つの理由で中国と日本の距離が近かったからと答えましたが、本来なら週末の間だけでも帰国しようかなと思えば帰国できる程の距離なのに・・・今はコロナの影響で1年に1回帰省することすら難しくなってしまいました。

2020年11月に来日してからずっと、日本語学校で学んでいましたが、今年(22年)の4月からは横浜国立大学院の経済学部で学ぶことになりました。将来は旅行が好きなので出張が多い貿易関連の会社で働きたいと考えています。

■日本に来て不思議に感じたこと、日本人は郵便を出すのが好き?!


 日本へ来てから、ずっと不思議に思っていることがあるのですが、日本人はハガキを出すのが好きですよね?例えば、先日クレジットカードを作った際、アップルペイに登録をしたら「あなたのクレジットカードはアップルペイに登録しましたよ」って書かれたハガキが届いて・・・これって、わざわざ送る必要ありますか?後、光熱費のパスワードを登録した際も登録したパスワードがハガキで届いて、正直驚きました。中国では、新しく建てられた家だとポストは設置されていません。そもそもポストを利用することがないので、なくても全く困らないですよ。それに宅配ボックスも一家に一台ではなく、共同の宅配ボックスが1つあるだけ。ある、ない、どちらが良くて、どちらが悪いとまでは思いませんが、「まだ手紙やハガキを出す文化があるの!?」と、正直カルチャーショックを受けました。

 その他だと、中国では携帯電話に全ての情報を登録している人が9割以上なので、携帯電話1つで何でも完了することができます。個人情報も、予約も、注文も、支払いも・・・とにかく全部(笑)この方が便利だと思いませんか?日本では、現金で支払う人、キャッシュレス決済の人、半々ですよね。携帯電話で何でもできる方が便利じゃないですか?もし携帯電話を落としてしまった場合は遠隔操作で登録情報を全て消せばいいだけですし。ただ、現時点では実際に体験したことがないので考えてみたこともないのですが、もし携帯電話が使えなくなったら、携帯電話でなんでもやることになれすぎて、生活できなくなるかもしれませんね(苦笑)

■日本で興味を持ったもの:日本の鉄道文化


 日本の鉄道文化に興味をもったのは、今から5年程前、旅行で日本へ訪れ、上野駅を利用した時のことです。中国では鉄道といえば長距離移動の手段として利用するイメージがあり、(日本でいう飛行機で移動する時と同じ様な感覚)セキュリティーチェックや日本の空港と同じくらい広い駅構内を移動しなければならないため、1時間前行動が当たり前です。しかし、上野駅ではセキュリティーチェックもなければ、路線も多く複雑・・・あっ、この話をする前に、鉄道に対しての認識の違いをお話しますね。

中国の「鉄道」は
・駅の構内が、日本の空港と同じくらい広い
・乗車する時はセキュリティーチェックがある(時間がかかる)
・駅と駅の移動距離が長い(中国は広い)
・乗り遅れると次の電車は1時間後になる可能性が高い
・日本のように「準急」「特急」はない。全て「各駅停車」

それに比べ、日本の「鉄道」は、
・1駅に乗り入れる路線の数が多く、広い駅もあるが中国程の広さはない
・セキュリティーチェックがない
・駅と駅の移動距離が短い
・日本の鉄道や地下鉄は日常で気軽に利用できる乗り物
・鉄道も地下鉄も「各駅停車」だけではなく、「準急」「特急」と種類がある

 簡単に違いを述べただけでも、同じアジアなのに、中国の鉄道と日本の鉄道とでは真逆ですよね。面白いと思いませんか?初めて日本へ旅行で訪れた時、上野駅を利用したのですが、まずセキュリティーチェックがないことに驚き、予定の電車に乗れなくても直ぐ次の電車がくることに驚き、1駅に乗り入れる路線の数に驚き(※ちなみに上野駅は東京23区で乗り入れ路線が多い駅ランキング第5位で、1位は新宿駅です)驚くことが多すぎてパニックになりました(笑)しかも、中国なら同じホームで鉄道を利用すれば同じ行先なのが「普通」なのにたいして、日本は同じホームでも行き先が違うことありますよね。(例:総武線)今の中国は最先端技術を色々取り入れていて、他の国と比べても劣ることがないと思っていたのに、意外なところがアナログだと痛感させられました。駅の改札は今でもアナログなレボルバー式の回転棒だし。日本の鉄道を利用する感覚で中国鉄道を利用した場合を考えてみてください。10分~15分移動のために、飛行機に乗る時と同じような感覚で30分~1時間程余裕を持って行動するのは効率が悪いと思いませんか?これが都内だったら歩いた方が早いと感じる人もいるかもしれません(笑)こう考えると誰も利用したくないですよね。ただ、中国の場合は広く、次の駅までの距離が遠いので。とはいっても、上海のような大都市の地下鉄は改札口から空港さながらのセキュリティーチェックを受けなければならないので・・・。う~ん・・・鉄道そのものの捉え方が違うと比べるのも難しいですね。

■お気に入りの電車:相互直通運転のエアポート快特(アクセス特急)

 私のお気に入りの電車はエアポート快特(アクセス特急)といって、羽田空港〜成田空港間(京急本線・都営浅草線・京成成田空港線)を乗り換えなしの直通で結ぶ電車ですね。 運行している鉄道会社が1社ではないため、羽田空港方面から乗車する場合は『エアポート快特』、成田空港方面から乗車する場合は『アクセス特急』と違う名称で呼ばれていますが、実際には同じ列車です。世界中探しても、運航している鉄道会社が1社ではないのに、複数の鉄道会社間で、互いに相手の路線に電車を乗り入れて営業運転をさも当然のようにこなしているなんて聞いたことがないので、日本の鉄道会社は本当に凄いと思います。

■青春18切符を使って旅行したい


 現在私は、日本語学校を卒業して大学院に入学するまでの2週間の間に、青春18切符で北海道稚内から鹿児島まで各駅停車での旅行を計画中です。(※青春18切符の利用可能な日数は5日間、1日あたり2410円で日本のJRが全線乗り放題になるという格安きっぷ)実は、以前もJRのフリーパスを利用し新幹線秘境駅とも呼ばれている、本州最北端の新幹線駅、函館の新函館北斗駅から新幹線最南端の駅、鹿児島中央駅まで、まる1日かけて新幹線移動をしたことがあるのですが、電車が好きな人じゃないと耐えられない移動時間ですよね(笑)※JAPAN RAIL PASS(ジャパン・レール・パスは、JRグループ6社が共同して提供するパスで、観光目的で日本に短期滞在する外国人、および外国に10年以上の長期滞在をする日本人が購入でき、日本中を鉄道でくまなく旅行して回るのに適した経済的で便利な切符)その時は、朝9時に函館を出発して夜の23時頃鹿児島に到着したのですが、日本の鉄道が大好きな私にとっては最高の1日でした。移動時間を短くして旅行先で楽しむのもいいですが、日本の鉄道文化を味わいながら、ゆっくり時間をかけて日本列島横断する旅もロマンあふれると思いませんか?年齢制限もないお得な切符なので、是非皆さんも挑戦してみてください!

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