Xin Chào!(シン チャオ:おはようございます・こんにちは・こんばんは)ベトナム北部から留学してきたグエン・テイマイフォンです。苗字はグエン、ミドルネームはテイです。普段、友達からは「マイフォンちゃん」または「マイちゃん」と呼ばれています。(皆さんに覚えていただけたら嬉しいです)前回は競馬場に対してのイメージや東京にある大井競馬場の冬季限定イルミネーション「東京メガイルミ」のオススメスポットについて紹介しましたが、今回は石川県金沢市で体験したことについてご紹介したいと思います。
■石川県金沢市へ訪れた理由
私が石川県金沢市へ訪れた理由は、毎年石川県で開催されている国際交流プログラム「JAPANTENT—世界留学生交流・いしかわ—」に参加するためです。このイベントに参加できるのは、抽選で選ばれた日本全国で学ぶ世界各国からの留学生、または研修生なのですが、大学1年生の頃に選ばれ、石川県金沢市へ訪れることができました。 ※「JAPANTENT—世界留学生交流・いしかわ—」について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
■私が参加した2019年の簡単なイベント詳細
期 間:2019年8月22日~2019年8月28日までの約1週間
参加資格:日本全国で学ぶ世界各国からの留学生、または研修生
参加人数:300人
体 験①:日本全国から集まった参加者合同オリエンテーション
体 験②:滞在期間中、3日に分けて石川県内の2カ所でホームステイ
体 験③:石川県内の伝統文化体験
■私が「JAPANTENT—世界留学生交流・いしかわ—」で体験したこと
ここからは、私が「JAPANTENT—世界留学生交流・いしかわ—」で体験したことを少し具体的にご紹介したいと思います。
1日目:参加者合同オリエンテーションとホームステイ体験(加賀能登地区)
私がこのイベントに参加して最初に驚いたことは、日本全国から集まった300人の留学生がオレンジ色の記念シャツを着て会場に集まった姿を見た時です。参加者の人数は事前に把握していましたが、改めて目にすると参加者の多さに驚いてしまいました。その後、初対面の留学生たち同士で「Hi!Nice to meet you」と挨拶を交わし、石川県での期待やイベントに対する思いを共有したのですが、同じ色のシャツを身につけているだけで自然と緊張が解れ、仲間意識を持つことができました。
2日目と3日目:加賀能登地区で3泊4日のホームステイ体験
1日目のオリエンテーションや歓迎式が終わると、留学生たちは県内の16市町に分かれて、各市町で簡単なセレモニーやホストファミリーとの対面を行います。この時、私は石川県の能登半島中央部にある七尾市でホームステイすることになったのですが、ホストファミリーが60代のとてもパワフルなご夫婦だったので、私は2人のパワーに圧倒されてしまいました(笑)とくに、ホストファミリーのお母さんが車を運転する際のハンドル捌きは見た目とかなりギャップがあったのでとても驚きました(笑)しかし、そんなホストファミリーのお母さんが作ってくれた味噌汁の味は今でもはっきりと覚えています。なぜなら、私がこれまで味わったどの味噌汁よりも優しく“心温まる味”だったからです。私はあの時の味を求め、他の場所でも味噌汁を飲んでみたのですが、あの味とは2度と出会うことができませんでした。だから、今はとてもあの味が恋しいです。
4日目から6日目:金沢市で3泊4日のホームステイ体験
2軒目のホームステイ先は、石川県の県庁所在地である金沢市でした。ここでは、小さな子供が2人いる4人家族の家にホームステイしましたが、最初は人見知りする子供たちだったため、コミュニケーションを取るのにとても苦労しました。しかし、徐々に慣れてくると、「お姉さんはどこからきたの?」「何歳ですか?」と沢山の質問をしてくれるようになり、とても嬉しかったです。特に、夏限定で開催される金沢動物園の「ナイトZOO」へ行った時は、子供たちが何度も訪れている「ナイトZOO」の魅力を教えてくれたので、とても楽しむことができました。
5日目と6日目:石川県の伝統工芸を体験
和菓子作り体験:金沢の和菓子は繊細で上品なデザインや味わいを重視しており、高級感があります。私は和菓子が大好きなので、初めての和菓子作りをとても楽しみにしていましたが、これまで全く経験がなかったので少し緊張していました。しかし、先生が優しい日本語で丁寧に指導してくださったおかげで、他の人より時間はかかりましたが自分で作った和菓子の出来栄えに満足することができました。
型染め体験:「型染め」とは、デザインが施された型紙を使用して染め上げる伝統的な手法です。私は花の模様が施された型紙を使って好きな色で一生懸命ハンカチを染めました。その結果、満足できる作品を完成させることができました。
箔貼り体験:今回、私は石川県の様々な伝統工芸品の作り方を体験しましたが、正直なところ、箔貼り体験が1番難しかったです。なぜなら、箔が非常に薄く、破れやシワができやすいからです。そのため、単純な作業であっても、指先に全神経を集中させながら金箔をつかんで貼る必要があったのですが、私は先生に手伝ってもらうことで、やっと1つの作品を完成させることができました。箔貼り体験では作業だけでなく、箔貼りの歴史や箔貼りで使用する道具についても教えてもらえます。そのため、1つの作品が完成した時の満足感もとても高いです。もし、私が再び石川県を訪れる機会があれば、ぜひもう一度箔貼りを体験したいと思いました。
※箔貼りの「箔(はく)」とは、金属を薄く延ばした膜のことです。
7日目:さよならセレモニー
■国際交流プログラム「JAPANTENT—世界留学生交流・いしかわ—」に参加して驚いたことや魅力的に感じたこと
まず、世界各国からの留学生や研修生300人を1週間受け入れられる体制が整っていることに驚きました。このようなイベントが開催できる都道府県は他にありますか?私の知っている限り、国際交流プログラム「JAPANTENT—世界留学生交流・いしかわ—」以外ないと思います。300人と交流するイベントを1日開催するだけでも沢山の人や時間が必要なのに、300人が1週間ホームステイできる環境を整え、伝統文化や工芸品を学べる環境まで用意し、参加者全員が満足できるイベントを開催してくださったことに改めて驚きました。
次に、石川県へ訪れて魅力的に感じたことですが、私は石川県の美しい景色よりも「石川県の人々」に強く魅力を感じました。これは、先程ご紹介した「驚いたこと」にも繋がるのですが、私たち留学生300人を受け入れてくれた石川県のスタッフやホストファミリー、伝統文化や伝統工芸品について教えて下さった先生たちだけではなく、石川県内で出会った人々は皆、私たちの言葉に優しく耳を傾け温かく受け入れてくださいました。その結果、私たちは生まれ育った場所や文化が違っても常に自分を受け入れてもらえることの幸せについても知ることができました。今ふりかえってみても楽しかった記憶しかありません。あのイベントを開催し、一生の思い出をプレゼントしてくれた石川県の方々には本当に感謝しています。
■令和6年能登半島地震について
令和6年1月1日16時10分、石川県能登地方でマグニチュード7.6の大きな地震が発生しました。私はこのことをテレビで知り、驚き、とても悲しい気持ちになりました。「JAPANTENT—世界留学生交流・いしかわ—」で私たちを受け入れてくれたホストファミリーのお父さんやお母さんたちは怪我していないか、ご飯は食べているのか、暖かい場所に避難できているか、津波の被害を受けていないか、不安になり、お世話になった方々の安否がわからない状態に強いもどかしさを感じました。しかし、当時連絡先を交換していなかったため、私が彼らの安否を知ることはできません。今はただ被災された方々の無事を祈ることしかできないのですが、少しでも早く回復し、また出会えることを願っています。
■まとめ
今回は、毎年石川県で開催されている国際交流プログラム「JAPANTENT—世界留学生交流・いしかわ—」に参加した経験と、石川県の魅力についてご紹介しました。皆さんも参加してみたいと思われましたか?私はこのイベントに参加できたことで、心が豊かになるだけでなく、自分の視野も広がりました。このイベントが今年開催されるかどうかは分かりませんが、もし今後機会があれば、ぜひ留学生の皆さんに参加していただきたいと思います。ここでの経験は、きっと貴重な財産になることでしょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。