Здравствуйте!(ズドラーストヴゥイチェ:こんにちは)ロシアの首都モスクワやサンクトペテルブルクに続く第3の都市、シベリア出身のソフィアです。前回は東京都にある「日本科学未来館」を日本のおススメスポットとして紹介させていただきましたが、今回は私が日本で生活をしていて困ったことについてご紹介させていただこうと思います。
■日本で生活をしていて困ったこと:電話対応と敬語
日本での生活を始める際、すぐに解決しなければならないことがたくさんあります。たとえば、
・ 日本で使用することのできる電話番号の取得
・ 賃貸契約の手続き
・ 光熱費の手続き
・ インターネット接続の手続き
・ 銀行口座の開設
などが例として挙げられると思うのですが、これらの手続きには高い日本語能力が必要です。しかし、学生たちのほとんどは日本語を話すことができない状態で留学をしているので、日本語を理解し話すことのできる知り合いや学校側が間に入ってくれなかった場合は1つ1つの契約に膨大な時間がかかってしまいます。とくに電話を使って対応する場合は「敬語」が必要ですが、この時に使用する敬語は日常で使う敬語よりもさらに高いレベルの敬語を使用しなければなりません。私は留学する前から独学で日本語を学んでいたので「N2」レベルの日本語能力は持っていたのですが、日本で生活をはじめてから1カ月ぐらいの間は電話をかけてきた相手に対して丁寧な敬語で対応することに強い苦手意識を持っていたので電話での対応はしなくてすむように避けていました。
※N2:日本語能力試験のレベル(1番高いレベルはN1)
しかしそんなある日、私が住んでいるマンションの管理会社を通してウォーターサーバーを売りつけてくる業者が現れたのですが、敬語を使って話すことへの焦りと、業者側が受話器越しにわざと早口で話して契約を迫ってきたため、早くこの状況から解放されたいと思った私は契約を承諾してしまいました。この時の契約は、敬語をスムーズに使えるようになってから自分で勇気を振り絞って契約破棄の電話をかけることができたので後でたくさんのお金を払うようなことにはならなかったのですが、あのまま解約の電話を避け続けていた場合は自分にとって必要のない物にお金を払い続けなければならなかったので、すぐに対応することができて本当に良かったと思います。
この他にも、コロナ感染症拡大以降、状況が変わったことも影響していると思うのですが、日本ではメールやチャットではなく電話対応をしなければならないことがロシアで生活をしていた頃よりも多いと感じます。たとえば、学校の先生や職場の上司、取引先の人と連絡を取る際は電話やテレビ電話で対応することの方が多いですよね?つまり、日本で生活をしたいと思うなら電話対応をする際に使う敬語を習得することが不可欠なのです。私は日本へ留学してきてまだ日が浅いのですが、日本での電話対応が苦手だった頃から克服するまでの経験があるので、この経験をいかしてロシアとの電話対応の違いや、電話で使用する敬語を克服する方法を紹介したいと思います。
■ロシアと日本の電話対応の違いをご紹介
・ ロシアでの電話対応:企業間での電話であっても少し尊敬を表す形に変えるだけで日常会話と差がない
・ 日本での電話対応:互いに丁寧な敬語を使って会話をする
国によって電話対応の仕方は大きく異なると思うのですが、ロシアでは企業間での電話であっても少し尊敬を表す言葉に変えるだけなので、日常会話で使用する言葉と大きな差はありません。そもそも電話を使っての会話を避ける人が多いため電話対応自体に慣れていない人が多いという傾向があります。
■ロシアの人が電話での対応を避ける理由
これはロシア国内で最も深刻な課題の1つですが、ロシアではアポ電詐欺や特殊詐欺、ワン切り詐欺といった電話を使った詐欺が数多く存在します。(※この記事を読んでくださっている方が想像するよりもはるかに多い件数です)その結果、人々は電話対応をする際に全て「疑い」を持つようになり、「匿名電話=強い姿勢(言葉)で対応する」という癖が付いてしまいました。突然ですが、皆さんはこのような世の中になってしまった場合、それでも電話対応したいと思いますか?用事があって電話をかけたのに失礼な言葉を強い口調で言われたら2度と電話をかけたくないと思いませんか?残念ながらロシアではこのような現象があふれているので、嫌な気持ちにならないためにも電話ではなくメールやチャットで対応する事が多いため私自身も日本で生活を始めたばかりの頃は電話対応する際、すごく勇気が必要でした。
■電話で使用する敬語を克服する方法
通っている学校にビジネスマナーや敬語を学べる授業がある場合は授業を受ける
私が通う日本語学校の選択授業には「ビジネスマナーと敬語表現」を学べる授業があります。私はこの授業を受けたことで日本での電話対応やメールの書き方を学ぶことができたのですが、日本で生活をしていきたいと思うのであれば「敬語」の習得は必須です。さらに、日本で就職をしたいと考えているなら、英語よりもビジネスで使用するビジネス専用の敬語を習得する必要があります。敬語を外国人が独学で学ぼうとしても、必ず限界があるので、もし日本でのビジネスマナーや敬語を学べる環境があるのであれば、ぜひプロの方の授業を受けて正しい敬語を習得してください。
■すぐに使えるマナーをご紹介
・ 電話をかける場合は、「お世話になっております」会社名と自分の名前を名乗る
例:「お世話になっております。私(わたくし)●●会社の「名前」と申します」
・ 電話がかかってきた場合は「お電話ありがとうございます」
例:「お電話ありがとうございます。●●会社の「名前」です」
・ 会社の電話に出る場合は「もしもし」は使わない
・ 電話がかかってきた場合は必ず先方の「会社名」「名前」「要件」をメモに残し、書いた内容は確認のために復唱する
・ 要件は簡潔にまとめて伝える
※ 電話の場合は相手の顔が見えない分、誤解を与えやすいため声のトーンを普段よりも高めにして、日本語に自信がなかったとしても、はっきりと言葉を伝えるようにしましょう!!
■まとめ
今回は私が日本で生活をしていて困ったこと「電話対応と敬語」について紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?日本には日本独自のマナーだけではなく、場面にあった言葉を使わなければ相手に対して失礼になってしまうことがあります。この部分だけをみてしまうと、難しく感じて心が折れそうになってしまうと思うのですが、日本社会で生きていくためのスキルを身につければ必ず自分の自信にもつながるので学生のうちは恥ずかしがらず努力を積み重ねていきましょう!もし、日本へ留学した直後の私と同じように電話対応をするたびに緊張してしまう人は決まったフレーズを覚えて何度も使うようにすればストレスを感じることも減ると思います。最後まで読んでくださりありがとうございました。