簡単なプロフィール
■名前:アマルトゥビシン ムンフスーリ
■国籍:モンゴル
■日本での生活:1年目
■趣味:日本国内旅行
■お気に入りの場所:神戸のハーブ園
■現在:東京工業大学大学院 修士課程(建築)
■日本を留学先に選んだ理由を教えて下さい
大学2~3年の頃に一緒に学んでいた友人が日本へ留学することになり、日本について色々話を聞いているうちに私自身も日本に対して少しずつ興味を持つようになりました。その後大学の専攻が建築なので日本を代表する建築家、安藤忠雄さん(代表作:表参道ヒルズ)や隈研吾さん(代表作:国立競技場)が設計した建築物を見ているうちに日本建築に対しても興味を持つようになり、日本への留学を決めました。彼らのデザインは建築と自然が共存するようなものが多く、シンプルなデザインの中から生命力を感じ取ることができるので好きです。現在は、東京工科大学大学院 で建築に関する研究をしているのですが、母国モンゴルで子供達へ勉強を教えたりしていたことで「教育」分野にも興味もつようになったので、子供たちが安心して学べるような学校をデザインしたり、教育に携わる仕事もしたいと考えています。
■日本で生活をしていて困ったことを教えてください
日本で生活をしていて困ったことは「主食の違い」と「室内で感じる温度(冬)の違い」です。まずは「主食の違い」についてですが、日本で主食と言えば「お米」ですよね?私の母国モンゴルの主食は「羊肉」です。何故主食がお米やパンではなく羊肉なのかというと、現代では首都のウランバートルや農村に長く住んで生活をする人も増えましたが、モンゴルは昔から遊牧民が多く、1カ所に長く住むのではなく、季節ごとに住む場所を変えながら広い平地(草原や砂漠)を利用して羊やヤギなどの家畜を育てていました。お米、麦、野菜の場合、「土地」が必要で育つまでに時間がかかりますよね?しかし羊やヤギの場合は、移動しながら育てることのできます。さらに羊のお肉は低脂肪高たんぱくで脂肪燃焼効果が高いため、遊牧しながら生活をするモンゴル人との相性がとてもよい食べ物でした。このような経緯で幼い頃から羊肉を主食としていたので、日本で生活をはじめてから羊肉を全く食べなくなった結果、数カ月たったあたりから体の調子が悪くなってしまいました。とはいっても、日本では羊肉をあまり好んで食べる人がいないので簡単に手に入る場所はありません。そこで私はインターネットで検索をして羊肉を取り寄せるようにしたのですが、日本で購入することのできる羊肉は高価なので気軽に購入することが出来ません。日本人の食生活に合わせた体になってくれればいいのですが、慣れるまでには時間がかかりそうです。
次に、室内で感じる温度の違いについてですが、これはモンゴルと日本の建物の違いや湿度の違いが大きな理由です。モンゴルの場合、真冬になるとマイナス20度からマイナス30度くらいになるため壁が日本よりも厚く、毎年9月から5月までの間は強制的に各家庭に備え付けられたセントラルヒーティングが稼働しはじめます。そのため外は極寒ですが建物の中へ入れば薄着でも快適に生活をすることができます。しかし、日本の場合はセントラルヒーティングが備え付けられている家がなく(北海道などの豪雪地帯には設置されている場合がある)、壁もモンゴルと比べて薄いため、真冬の時期になるとマイナス何十度のモンゴルよりも室内での体感温度が低くなります。まさか来日早々(21年11月)家の中で凍えそうな経験をするとは思っていなかったので、去年の冬はどのように乗り越えればいいのか悩みました。暖房を使えばいいのですが電気代も高いので、本格的に始まる2度目の冬に備えて何か対策を考えなければなりませんね。
■最後に、これから日本へ来る留学生にメッセージをお願いします
これまでインタビューで答えてきた内容と関係ないことになってしまうのですが、日本での生活を充実させたいのであれば「日本語は必須」です。このことについて留学生達は大きな問題だと考えていない人が多いと思います。自分もそうでした。しかし、日本での生活を楽しみたいのであれば、たとえ難しかったとしても最優先で日本語を覚えた方が、生活を充実させることができると私自身強く実感しました。「英語」ではなく「日本語」を覚えてください。「ひらがな」「漢字」「カタカナ」だけではなく、卒業後に日本での就職を考えているなら「敬語」もしっかり覚えた方がいいです。