Szia!(シア!:こんにちは!)ハンガリーの首都であり、街全体が世界遺産に登録されているブタペスト出身のVirág(ヴィラーグ)です。私の名前には“花”という意味があるので、ヴィラーグと発音しにくい人は私のことを“はな(花)”と呼んでください。私は2021年の6月に来日し、現在は早稲田大学の修士奨学生として国際関係と人道支援について学んでいます。来日当初はJICAのプロジェクトに参加するために日本語を学ぼうと考えていたのですが、実際に日本で生活をしてみた結果、日本の文化に夢中になってしまい、夢も47都道府県を制覇することになりました。そこで、ここでは私が実際に訪れて見つけた日本国内の様々な魅力について発信していきます!
■“なまはげ”を知っていますか?
“なまはげ”とは、重要無形民俗文化遺産やユネスコ無形文化遺産に登録されている秋田県 男鹿市(おがし)の伝統行事です。上の写真を見てください、青と赤のお面がありますよね?秋田県といえば世界中の人が思い浮かべるのは映画「Hachi: A Dog's Tale」に登場した秋田犬だと思うのですが、日本人の間では秋田県と聞いて“なまはげ”を思い浮かべる人が多いです。“なまはげ”とは秋田県男鹿の山々に住む神の使いのことで、地元の男性が青や赤の面とケデを身に纏って包丁と桶を片手に家々を回ります。その時、「悪い子はいねがー 泣く子はいねがー」となまはげが叫ぶのですが、子供の頃になまはげと出会ったら、トラウマになるかもしれませんね。
※ケデ(※その年に刈りとられた稲ワラで編んだ衣装のこと)
■“なまはげ”に関する豆知識
・起源:1811年
・国の重要無形民俗文化財に指定されたのは1978年
・ユネスコ無形文化遺産に認定されたのは2018年
・目的:怠け者を懲らしめ、無病息災、家内安全などを願うため
■なまはげ柴灯(せど)まつり
・起源:1964年(昭和39年)から
・場所:秋田県 男鹿市北浦真山 真山神社
・時期:毎年2月の第2金曜日、土曜日、日曜日
・最寄り駅:秋田県 JR男鹿駅(おがえき)
・予約の締め切り:1月中旬
・第57回なまはげ柴灯まつりの動画はコチラ
なまはげ柴灯まつりの詳しい情報はコチラ
■ハンガリー出身の私が“なまはげ”を特別だと感じた理由
私は、なまはげ柴灯まつりに参加し、“なまはげ”に対してとても特別な感情を抱きました。なぜなら、ハンガリーのMohács(モハーチ市)にも毎年同じ時期に似たお祭りが開催されるからです。モハーチ市のお祭りは“busójárás(ブショーヤーラーシュ※ブショーの行進という意味)”と呼ばれ、このお祭りを見るために国内外から多くの人が訪れます。上の写真をご覧ください。なまはげに雰囲気がとても似ていると思いませんか?
なまはげと違うのはケデ(※その年に刈りとられた稲ワラで編んだ衣装のこと)ではなく、羊の毛皮を身に纏っていることと、お祭りの目的や開催期間が毎年前後することです。ちなみに、ブショーヤーラーシュの目的は、ハンガリーの長い冬を終わらせ、春を呼び寄せることです。このお祭りに興味を持った方はぜひ、ハンガリーへお越しください!
■なまはげ柴灯(せど)まつりに参加する時の注意点!
先程も少し紹介しましたが、なまはげ柴灯(せど)まつりへ参加したい方は必ず1月中旬までに参加予約をしてください。これを忘れるとお祭りに参加することができません!なまはげ柴灯まつりとは真山神社の神事である「柴灯祭(さいとうさい)」と男鹿地区の民俗行事の「なまはげ」を組み合わせた伝統行事です。会場も狭いです。参加希望の方は、12月1日から申し込みが開始されますので、公式サイトまたは実行委員会宛てに専用の申込用紙をFAX又は郵送で送ってください。
※申し込み受付開始:12月1日
※申し込み方法①:なまはげ柴灯まつりの公式サイト
※申し込み方法②:なまはげ柴灯まつり実行委員会へ専用の申込用紙をFAX又は郵送
※お祭り当日は会場までの無料シャトルバスや臨時有料バスが出ます
※開催時間:18時~20時30分
※入場協賛金:1人1,000円(高校生以下無料)
※当日は交通渋滞が予想されるので時間に余裕を持って行動しましょう!
■まとめ
2023年の2月、念願だった「なまはげ柴灯まつり」へ参加することができました。当日は、祭りの開始時間よりも前から多くの人が真山神社へ参拝に訪れていたのですが、真冬の秋田県は私が想像していたよりも寒くて正直凍えそうでした(笑)そのため、近くに用意されていた焚火周辺には人々が集り、身体を寄せ合いながら暖をとっていたのですが、それも良い思い出です。なまはげが松明を持って登場した瞬間、会場のボルテージは最高潮に達し、「悪い子はいねえか?」と追いかけられた子供達の中には泣いている子もいました。
私が参加した時のなまはげ様達は観光客の私に対し、時々立ち止まってポージングをしてくれたので、写真も沢山撮ることができたのですが、実際に間近で見たなまはげ様達は、想像していたよりも怖くありませんでした。あの日、私はホテルに帰りついても興奮を抑えられず、なかなか眠りにつくことができなかったのですが、ハンガリーと日本の文化に深い繋がりも感じられたお祭りに参加することが出来て、心の底から良かったと思いました。これも、全て日本に住んでいたからこそ出会えた地元の伝統文化ですよね。この記事を読んでくれた皆さんも秋田県の伝統文化なまはげを見たいと思った方は、申し込み受付開始される12月1日に応募してくださいね!そして、私と同じように素晴らしい体験をしてください!