■自己紹介
大家好!(ダジャハオ:みなさんこんにちは)日本でも人気の「麻辣燙(マーラータン)」「羊肉串(ヤンロウチュアン)」といった中国東北料理や、中国有数の重工業都市として有名な 遼寧省瀋陽市出身の留学生、モウ カオンです。私は中学1年生から学校で日本語を学び始め、高校1年生の時に日本語能力試験N1を取得しました。また、幼い頃から宮崎駿監督作品や椎名林檎さん・宇多田ヒカルさんといった日本のアーティストが大好きだったので、これらを通して日本文化にも興味を持つようになり、高校卒業と同時に日本へ留学しました。
現在は早稲田大学の教育学部に通っているのですが、将来は自分の語学力や大学で学んだことを活かし、研究者として世界で深刻化している教育問題を解決したいと考えています。よろしくお願いします!
■栗林公園をオススメしたい理由
私が栗林公園をオススメしたいと思った理由は、この場所なら日本各地を旅行したことがある人でも、心の底から感動させることができると思ったからです。栗林公園は日本の特別名勝に指定されているだけではなく、その規模と美しさから日本三名園に匹敵すると言われています。しかし、私が思うにこの場所を知っている外国人観光客は非常に少ないと思います。そこで今回は、栗林公園の魅力やオススメポイントをまとめて読者の皆様へご紹介したいと思います。
■特別名勝 栗林公園の簡単な説明
・栗林公園の紫雲山を含めた面積は約75ha
・元々は高松藩主松平家の別邸
・高松藩主松平家によって約200年以上維持され、1875年から一般公開
・江戸初期の池泉回遊式庭園
・江戸時代から続く日本庭園の中で、最も保存状態の良い庭園の1つ
・現在は国の特別名勝に指定されている文化財庭園
※高松藩主松平家の初代藩主、松平頼重は江戸幕府を開いた将軍「徳川家康」の孫です
※面積約75haは、新エリアを含む東京ディズニーシーの面積に東京ディズニーランド3分の1の面積を合わせたくらいの広さです
■香川県高松市にある栗林公園の魅力
栗林公園の魅力その①:様々な角度から楽しめる個性豊かな景色
皆さんは、「一歩一景 (いっぽいっけい)」という言葉を知っていますか?これは、読んで字の如く、一歩歩くごとに、新しい景色と出会えるという意味です。今回ご紹介する栗林公園は、江戸時代に身分の高い武士の間で人気だった「池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)」という日本独自の様式で作庭されているのですが、大きな池の周囲をゆっくり歩きながら、隅々まで手入れされた美しい庭園を眺めているだけで、心の底からリラックスすることができます。また、日本は春・夏・秋・冬と四季がはっきり分かれているため、たとえ同じ角度から眺めることができたとしても2度と同じ景色と出会うことはできません。そのため、日本の伝統的な庭園や、日本独自の美意識を堪能したい人にとって、栗林公園は日本一最適な場所と言うことができます。
私は、この美しい庭園を母国にいる家族や友達にも見せてあげたいと思いカメラを構えたのですが、栗林公園内は何処を切り取っても絵画のような美しい景色が広がっているため、お気に入りの角度や場所を選ぶのにとても苦労しました。皆さんも是非この場所へ訪れたら、お気に入りの角度や風景を見つけ共に訪れた人と共有し合ってみてください。
中国の庭園と日本の庭園は違う
【中国の庭園の場合】
・この世に存在しない神秘的な世界を再現している
・庭園の中で世界観が完結している
・池、石、木、橋、亭といった5つの要素が全て揃っていなければならない
【日本の庭園の場合】
・定義はなく、多種多様な庭園が存在する
・自然本来の姿を重視する
・庭園の外にある自然も含めてデザインされている
余談ですが、私はアジア以外の国に住んでいる友人から何度も「アジアの庭園は全て同じ雰囲気ですよね?」と言われたことがあります。しかし、じつは同じように見えて中国の庭園と日本の庭園は違った要素で造られていることをご存じでしょうか?たとえば、中国の江蘇省蘇州市にある歴史的な庭園で、ユネスコの世界遺産に登録されている「蘇州古典園林(そしゅうこてんえんりん)」では、池・石・木・橋・亭といった5つの要素が全て揃っているのですが、もし、これが1つでも欠けた場合は“園林”と呼ぶことができません。また、中国庭園は自然との調和を求めながらも、人工的な要素を効果的に使って庭園の世界観を再現していることが多いという特徴があります。 これに対して、日本の庭園は中国の庭園のような定義はなく、自然本来の姿を重視したり、「詫び寂び」「枯山水」といった日本特有の美意識を表現したりすることも多く、これらは中国庭園と日本庭園を比較する時の大きな違いになります。
またまた余談ですが、この庭園の違いは両国の食文化にも通じるものがあると思いませんか?たとえば、中華料理は食材本来の味を活かした調理法よりも調味料を多く使って食材の味を引き立たせる料理が多いのに対して、和食は食材本来の味を際立たせる料理が多いと思います。私はこの違いに気付いた瞬間、他にもこのような違いがあるかもしれない、探してみよう!という気持ちになりました。(面白いと思いませんか?)皆さんも母国と日本の違いに気付いたら是非SNSなどを使って気づいたことをシェアしてください。
栗林公園の魅力その②:日本の伝統文化も体験できる
栗林公園では、実際に歩いて景色を楽しむことの他に、日本の伝統文化を体験することもできます。たとえば、
栗林公園内にあるお茶屋「掬月亭(きくげつてい)」
掬月亭は、歴代藩主がお茶を楽しんだり、大切なお客様をもてなしたりする際に使用されていた建物です。現在この場所では、お茶と和菓子を頂きながら、栗林公園内に咲き誇る四季折々の花や美しい景色を堪能することができるのですが、ココから見える景色は掬月亭に訪れた人だけが堪能できる特権なので、日本の伝統文化を体験しながら自分だけの絶景も楽しむことができます。
ちなみに、「掬月亭」という名前は、中国唐時代の詩人、于良史(うりょうし)の作品「掬水月在手(みずをきくすればつきはてにあり)」から名付けられたと言われているのですが、これを日本語訳にすると「水面に映る月を両手ですくうと、夜空で輝く月も手の中に収めることができる」という意味になります。月明かりに照らされた池の水面に映る月を見て、日本独自の美意識を堪能できたら、とてもロマンティックだと思いませんか?残念ながら現在は営業時間が9:00~16:30(受付終了16:00)なので、夜の掬月亭を堪能することはできないのですが、お時間があれば是非この場所へ訪れてみてください。
300年前の歴代藩主と同じ舟遊び体験
最初にお伝えした通り、栗林公園は江戸初期の池泉回遊式庭園という日本独自の様式で作庭されているので園内を自分で歩きながら見える景色を楽しむという方法が一般的ですが、栗林公園では300年前の歴代藩主と同じように笠をかぶって木でできた和船に乗り、船の上から景色を楽しむこともできます。
とくに、秋から冬にかけて早朝の和船に乗ると、朝靄漂う幻想的な栗林公園内を船の上から堪能することができるのでオススメです。秋から冬にかけて栗林公園へ行く予定がある方は是非、朝一の栗林公園で和船体験してみてください。
※和船をする場合は予約が必要です。予約状況を確認したい場合はコチラをご覧ください。
■注意点
栗林公園は年中無休ですが、季節によって開園時間が異なりますのでご注意ください。また、季節ごとに特別なイベントや展示がおこなわれることもあるため、栗林公園の詳しい情報を知りたい方はコチラをご覧ください。
■まとめ
今回は香川県高松市にある栗林公園の魅力やオススメポイントなどをご紹介しましたがいかがだったでしょうか?香川県はこの他にも魅力的な場所や食べ物が沢山ある県ですが、個人的にはこの場所が1番オススメです。ちなみに私は、この場所へ夏・秋・冬と3度訪れたことがあるのですが、来年の春に訪れれば全ての季節を制覇できるので、次は来年の春に訪れようと思います。皆さんもぜひ、香川県へお越しの際はぜひ、栗林公園へ行ってみてください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!