皆さん、こんにちは!日本の風情あふれる美しい町並みや日本の近代文学・音楽が大好きな台湾出身のヤンです。私は、大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)の英語プログラムに参加するため、2019年に留学生として来日し、現在は日本の印刷会社でWEBデザイナーとして働いています。よろしくお願いします!
■「農泊」を知っていますか?
突然ですが、皆さんは「農泊」という言葉を知っていますか?農泊とは「農村民泊」の略で、農林漁業が盛んな地域で地元の人たちと触れ合いながら伝統的な暮らしを体験する体験型宿泊のことです。最近では、「グリーンツーリズム」とも呼ばれるようになり注目されていますが、今回ご紹介する大分県 安心院町は、その「農泊」発祥の地です。
私は大学3年生の時に、授業で安心院町が農泊発祥の地だということを知ったのですが、その後自分で色々と調べるうちに「農泊」に対して強く興味を持つようになりました。なぜなら、この農泊体験は、私が小学生の頃に台湾で放送され話題になった日本のテレビ番組「田舎に泊まろう(来去郷下住一晩)」と似ていることに気付いたからです。
この番組は、芸能人たちが行き先を知らされないまま日本各地の田舎に連れていかれ、自分で民泊交渉したり、田舎体験をしたりするといった内容だったのですが、他人同士が一晩一緒に過ごしただけで情が生まれ、別れを惜しんで涙を流す姿は、比較的都会の台北で生まれ育った私にとって、とても信じられない光景でした。それ以来「いつか日本の田舎で暮らしてみたい」という夢を抱いていたのですが、この夢が実現できることを知り、即、安心院町の農泊体験を申し込みしました。そこで今回は、私が実際に体験した経験をもとに、農泊の魅力を読者の皆さんに紹介したいと思います。
■私が農泊体験した家:舟板 昔ばなしの家
今回、私が農泊体験をさせていただいた施設は、180年の歴史を持つ古民家「舟板 昔ばなしの家」さんです。安心院町には様々な農泊体験があり、その中から自分の好みに合った農泊体験を選ぶことができるのですが、「舟板 昔ばなしの家」さんでは、古いアニメや映画でしか見たことのなかった五右衛門風呂や囲炉裏を体験できるとのことだったので、ここで農泊体験することを決めました。
※五右衛門風呂は要相談です。基本、入浴は地元の温泉を紹介しています。五右衛門風呂を体験してみたい場合は予約の際に必ず確認をしてください。
■農泊体験当日の簡単なスケジュール
※チェックイン16:00 チェックアウト10:00
※安心院バス停前からの送迎可能
・到着後は囲炉裏を囲んで団欒
・仮眠
農泊体験当日、予定よりも早く到着した私は、少し緊張していたのですが、古民家のお母さんがとても温かく迎えてくださったので、私の緊張は一気にほぐれました。
その後、囲炉裏の近くに座って、過去に宿泊した方たちが残していったお酒やお菓子、西日本で多く食べられているグレープフルーツのような果物 文旦(ぶんたん)、古民家のお母さんが栽培している椎茸を食べながら、安心院や台湾について沢山お話をしたり、古民家のお母さんがSNSに興味があるのに使い方がわからないということだったので、Instagramの使い方について教えたりしながら過ごしました。(この後、私は古民家の居心地が良すぎて少し仮眠をとりました)
・五右衛門風呂体験
仮眠から目覚めると、お風呂の時間です。(お風呂は私が仮眠をとっている間に、古民家のお母さんが用意してくださいました、多謝你!!) 五右衛門風呂は湯船が鉄製なので、お湯が冷めにくいのですが、現代の私たちが普段利用しているお風呂とは違い風呂底も鉄なので、そのまま入ろうとすると大火傷をしてしまいます。そこで、五右衛門風呂専用の木の板を踏み沈めながら入浴するのですが、この体験が面白い‼この時の気持ちを言葉で表現することはとても難しいのですが、私は子供のように興奮しながら「何コレ!楽しい―‼」と1人騒いでしまいました(笑)
・食事:古民家のお母さん特製ごはん
お風呂から上がると、晩御飯の時間です。(晩御飯は私が入浴している間に、古民家のお母さんが用意してくださいました、多謝你!!) この日のメニューは、ジビエステーキ、イノシシ鍋、ドジョウの蒲焼き、古民家のお母さん特製 鶏飯のおにぎりだったのですが、古民家のお母さんとお酒を飲みながらドジョウを焼いたり、笑いあって会話をしたりしていたら、いつの間にか胃袋だけではなく心も幸せでいっぱいになりました。
この時、私はコロナ感染症拡大の影響で約3年、台湾の実家に帰省することができていなかったのですが、農泊体験を通して、古民家のお母さんから沢山の親切と愛情を頂いたので、幸せを嚙みしめていたら思わず涙がこぼれそうになりました。
・就寝
・食事:古民家のお母さん特製ごはん
次の日の朝食は、和牛のすき焼きと甘い卵焼き、手作りの餅だったのですが、朝からお腹いっぱいでとても幸せな気持ちのまま帰路に就きました。古民家のお母さんによれば、「1回泊まれば遠い親戚、10回泊まれば本当の親戚」と言う言葉があるそうなので、私はこの出会いを大切にし、またこの場所へ訪れたいと思います。
■安心院町 農泊体験1番の魅力
安心院町 農泊体験1番の魅力は、安心院町には様々な農泊体験があり、その中から自分の好みに合った農泊をリーズナブルな価格で体験できることです。このような体験は、日本の伝統や田舎に興味がある人にとって何ものにも代え難いものとなります。また、安心院町の人々は、私がこれまで接してきた人の中で最も深い愛情を与えてくれました。そのため、日本人とのコミュニケーションに慣れていない人でも挑戦しやすい環境だと思います。少しでも興味がある方は、ぜひホームページを検索してみてください。
※ちなみに、日本語ができなくても予約サイト(安心院町グリーンツーリズム研究会)は、翻訳サイトと繋がっているので、予約可能です‼
■農泊体験で注意すること
・民泊なのでアメニティはありません。自分で用意しましょう
・予約受付は4日前までです
・農泊を体験する時は、自分の常識を押し通すのではなく、「体験させていただいている」という考え方が必要です。日本には「郷に入っては郷に従え」という”ことわざ”があるように、農泊体験する時は、この言葉の意味をしっかり理解して行動しましょう。
■まとめ
今回ご紹介した安心院町での農泊体験は、私がこれまで日本で体験してきたことの中で最も特別な体験の1つです。ここでは、古民家での宿泊や美味しい郷土料理を楽しむだけではなく、地元の人たちとの交流や日本古来の伝統文化を体験することで、心の底から充実した日々を過ごすことができます。安心院町での農泊体験は、皆さんが思い描く日本の素晴らさが沢山詰まった場所なので、皆さんも是非、訪れて見てください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!