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2023.03.06

台湾出身の私が日本で生活をしていて困ったこと:日本国籍取得

 こんにちは。台湾の台南出身、胡 智偉(コ ツイ)と申します。前回は台湾出身の私が日本で生活をしていて困ったこと「就職活動」についてご紹介させていただきましたが、今回は私が日本で生活をしていて困ったこと「日本国籍取得」についてご紹介させていただこうと思います。

 現在、私は家族(妻、娘)と一緒に大阪で生活をしているのですが、じつは2021年に日本国籍を取得しました。きっかけは2010年から留学生として日本で生活をしていて、観光ビザ、ワーキングホリデービザ、留学ビザ、就職ビザと様々なビザを取得してきたのですが、2019年に大手企業に就職する際に購入した家や車を転職や契約更新のタイミングで就労ビザの取得が出来なかった場合は購入したもの全てを失う可能性があったからです。もともと日本のプロ野球が大好きで日本に興味をもち来日することを決めたのですが、実際に日本で生活をしてみると日本での生活リズムも自分に適していると強く感じたのでビザを取得するよりも日本国籍を取得した方がいいと思い、2021年に日本国籍を取得しました。

■台湾と日本の就職や転職に関する違い


台湾の場合:台湾では就職も、転職も比較的簡単に行うことができます。そして、どの職場へ行っても「正社員」として雇用されることが多いという特徴があります。しかし、台北市や新北市の家賃は信じられないくらい高いので(東京都同じくらい)正社員として働いていても、もともとお金に余裕がないかぎり家や車を購入するどころか普通に生活をすることすら困難です。

日本の場合:日本では「正社員」の他に「派遣社員」として雇用されることがあります。そして、転職をしようとした場合、台湾と比べて非常に難しく年齢を重ねれば重ねるほど困難になります。しかし、頑張って働いたことが評価され様々な仕事を任せてもらえるようになった場合は収入も増え、家や車を購入することも可能です。

■帰化申請にあたって準備しなければならない書類がたくさん!!

 「帰化」とはある国の国籍を持っている外国人が、自分の取得している国籍以外の国の国籍を取得することです。私は台湾国籍から日本国籍を取得するために必要な書類を収集したり、作成をしたりしたのですが、母国の戸籍謄本を日本語に翻訳したり、自分の出生証明書を発行したり、婚姻届け、子供の出産証明書を準備したり……準備しなければならない書類が本当に多かったので、とても苦労しました。

※妻や子供が帰化しない場合でも同じように書類の提出が必要です
※帰化に関する情報は更新されることがあるため、「法務局」のホームページをごらんください

■帰化を申請する際の流れと注意点

※帰化を申請する場所は「法務局」または「地方法務局」です。

① 法務局へ帰化に関する相談をする
② 帰化申請に必要な書類を集める
③ 帰化申請の書類を作成する
④ 帰化申告書類の点検をおこない受理された後は法務局内で面接を受ける
⑤ 近隣調査・家庭訪問・職場訪問・職場調査
⑥ 法務局への書類送付
⑦ 帰化審査の結果通知

※帰化に必要な書類の点検が行われた後は、別の日に日本語の筆記試験や面接がおこなわれます
※妻や夫がいる場合は、妻や夫も個別面談を行う必要があります。この場合、もし日本語に不安がある場合は通訳を手配することができます
※日本語の筆記試験は20分程度で終わります(むずかしくはありません)
※近隣、家庭、職場訪問を全てクリアした後は電話で母国の国籍を放棄する手続きをおこないます
その間は(平均2~3カ月)無国籍の状態になります
※国籍取得後は再び法務局へ行き、その時、戸籍謄本やパスポートの手続きをします

 ここで紹介した取得方法はコンパクトにまとめたものなので、実際はこれよりももっと大変な作業をおこなう必要があります。提出するための書類は気が遠くなるほどの量で、もしこの書類の記載方法を間違えた場合は簡単にその場で修正するのではなく、1度家に帰宅してから改めて新しい書類を作成し提出する必要があります。(ちなみに、法務局の窓口担当者は毎回変わるので、その方の対応に合わせて自分自身も対応する必要があります)住んでいる場所や職場の地図を作成したり、働いている場合は有給を何度も申請をしたりする必要があるので、有給取得日数に余裕をもてるようになってから申請をする必要があります。

 ちなみに、私の場合は書類の準備と戸籍謄本の翻訳(自分での翻訳が難しい箇所は翻訳専門家に依頼)だけで数カ月かかり、合計6回ほど書類作成のやり直しをしました。面接担当者は3回変わり、結果がでるまで約1年半かかりました。

※日本国籍取得後は銀行口座、運転免許書、クレジットカードの改名が必要な場合は2週間から1カ月ほど更に時間がかかります

■まとめ





 正直、帰化をする際は母国で生活をしている親とのコミュニケーションもとるのも大変なので気軽にオススメするようなことではありません。しかし、私と同じように何度もビザの取得をする必要がある、又は他の理由で日本国籍を取得するために帰化する場合は頑張ってください。最後に、とても大切なことを伝え忘れていましたが、もし帰化を申請するのであれば「税金」「年金」「国民健康保険」などの払い忘れがあった場合は後悔することになるので、常日頃から払い忘れがないように気を付けてください!最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

コ ツイ

国・地域
台湾
居住地
大阪府
得意カテゴリ

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