オススメの場所
2022.08.15

台湾出身の私が日本で見つけたオススメの場所:福岡県 中洲大洋映画劇場

■1歩足を踏み入れれば、レトロな映画の世界へタイムスリップ!昭和ノスタルジーを感じさせてくれる「中洲大洋映画劇場」

 こんにちは!台湾出身のチョウルイユウです。突然ですが、あなたは「映画館」と聞いて何を思い浮かべますか?臨場感溢れる大きなスクリーン?それとも、スペースシャトルの扉のように重い映画館の扉?または映画館内で食べるチュロスやポップコーン?映画館のことを色々思い出そうとするだけでワクワクしますよね。それに、ここ数年、テクノロジーの進化は目まぐるしく3D、4D、5Dの登場で、遊園地のように激しく動く座席が登場したり、風や雨を感じることが出来たり、作品の世界へリアルに入り込んだような体験ができるようになりましたよね。この先、映画館はどこまで進化し続けていくのか私も凄く楽しみにしているのですが、今回紹介したい映画館は最新機の揃った映画館ではなく、この場所だけ時が止まったような体験ができるレトロな映画館です。





 この映画館との出会いは、私が福岡へ来てまだ間もない頃、中洲のメインストリートを国体道路沿いに歩いていた時でした。突然目の前にどっしりと構えた建物が現れ、見上げると、そこには大きく「大洋映画劇場」の文字が。年々新しい物が立ち並ぶ天神、博多駅周辺とは違い、伝統的な歴史のある福岡の歓楽街中州に溶け込んではいるものの、ここだけ更に時が止まったような不思議な魅力を感じ、元々レトロなものに興味を持っていた私は導かれるようにこの映画館へ入ってみることにしました。(余談ですが、この映画館の向かいには外国人にも人気のラーメン店「一蘭」本社総本店があります。一蘭の入口からは残念ながら大きな「大洋映画劇場」の看板が見えないのですが、一蘭までたどり着く間に、「中洲大洋映画劇場」の建物を見かけたら、気になって中へ入りたくなることでしょう)





 扉を開ける瞬間からワクワクする館内へ足を踏み入れてみると、リニューアルはされているものの館内のいたるところにレトロな映画愛を感じる装飾を発見することができます。たとえば、階段上で出迎えてくれるチャップリンの等身大パネル。この映画館の歴史を知らなければ「何故ここにチャップリン?」と不思議に感じると思うのですが、実はこの映画館が開館した1946年のオープニング作品が喜劇王チャップリンの不朽の名作「黄金狂時代」なのです。当時、わずか2週間で6万人を超える動員数を記録し話題となった大洋映画劇場で今もなお映画館へ足を運んだ映画ファンを出迎えてくれるチャップリン。素敵なアイディアですよね。この他にも、天井にフイルム模様が描かれていたり、オードリー・ヘプバーンとジェームズ・ディーンがデザインされた椅子や映画「ローマの休日」に登場した「真実の口」がデザインされている壁があったり、比較的目に付く場所に映画ファンの心くすぐる仕掛けが施されているので上映時間までの間、館内を探検してみると、より一層贅沢な気分を味わえると思います。

■ここで1つ映画のトリビア!台湾の映画館と日本の映画館の違い

パンフレットやグッズの販売 :台湾の映画館では上映作品に関するパンフレットやグッズが殆ど販売されていないのに対し、日本の映画館ではパンフレットやグッズが沢山販売されていることが多い(※特に、台湾の映画館では、映画祭や特別上映された時以外でのパンフレット販売はありません)
字幕 : 台湾の映画館では、どのジャンルの作品でも必ず中国語の字幕がついているのに対し、日本の映画館では「字幕」「吹替」の2パターンにわかれていて、邦画作品には日本語の字幕がついていない(来日後に初めて映画館へ行った時、邦画作品に日本語の字幕がついていないことを知り驚き、邦画作品を見るのに凄く苦戦しました)
※台湾の映画館に台湾語や中国語の字幕がついている理由(字幕の殆どは中国語)

①台湾語をメインで使う人、中国語メインで使う人両方いて、イントネーションや方言によって違いがあるため
②台湾語や中国語には同音異義語が多く聞き分けるのが難しいことがあるため

■最後に

 実は、私の出身地、台北にも「中洲大洋映画劇場」と同じような雰囲気を醸し出す映画館があります。その名も「光点台北(グァンディェンタイペイ)」です。場所は台北市中山区の大通から一本奥に入った裏路地にあるのですが、もともとアメリカの大使官邸だったところを2002年に、88席のミニシアター、カフェ、芸術サロンが一体化になった複合式施設へと改装した場所ですが、「中洲大洋映画劇場」と同様、新しいものを取り入れながらも、しっかり旧来の物を土台として残してくれているおかげで、数十年たった今を生きる私達も当時の雰囲気を感じることが出来ます。1歩映画館に足を踏み入れた瞬間から、タイムスリップしたような気分を体験できるレトロな映画館は世界中探しても次から次に新しい物へと変化していく現代ではなかなか出会うことができません。進化した映画館で没入感を存分味わうのももちろん素敵ですが、たまにはどこか懐かしい、個性的な映画館で映画を楽しんでみてはいかがですか?福岡県へ遊びに来た際は是非訪れてみてください。

■中洲大洋映画劇場へのアクセス

住所:〒810-0801 福岡市博多区中洲4-6-18
電話番号:092-291-4058
アクセス:地下鉄・中洲川端駅1番出口/西鉄バス東中洲バス停前
※営業時間などの詳しい情報は、中洲大洋映画劇場のHPをご覧ください

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