オススメの場所
2024.04.19

インド出身の私が日本で見つけたオススメの場所:和歌山県 高野山真言宗 総本山金剛峯寺

 నమస్కారం!(ナマスカーラム:こんにちは)!南インドを語る上で、文化的にも地理的にも重要な都市、ハイデラバード市出身のガウタムと申します。前回は、日本プロ野球チーム「阪神タイガース」の本拠地であり、兵庫県自慢の球場「阪神甲子園球場」の魅力や球場で体験できることなどを紹介しましたが、今回は和歌山県にある「高野山」についてご紹介したいと思います。なぜなら、高野山はインドから日本に伝わった仏教を代表する聖地だからです。日本へ訪れる観光客の中には、お寺や神社と言えば「京都」を思い浮かべる人が多いと思うのですが、和歌山県にも歴史的な観光地や、昔から山へ籠もって厳しい修行を行う人たちにとっての神聖な場所が数多く存在します。さらに、今回ご紹介する「高野山真言宗 総本山金剛峯寺」は日本仏教の1つ真言宗の総本山です。(※総本山とは宗派の中でNo1の寺院という意味です)

 私は日本で生活を始めるまで、日本は他の国と比べて宗教に対する信仰心が薄いと思っていました。しかし、日本の歴史や日本仏教について調べてみると興味深いことが沢山あり、信仰心が薄いと感じていたのは誤解だったと思うようになりました。きっと、皆さんも高野山について知れば、驚くことが沢山あるはずです。それでは早速、仏教や高野山を説明した後に、高野山の注目ポイントについてご紹介します。

■仏教って何?

・世界3大宗教の1つ
・今から約2500年前にインドで誕生した宗教
・開祖は釈尊仏陀(ガウタマ・シッダールタ/शाक्यमुनि)

※日本では一般的に開祖ガウタマ・シッダールタのことを「お釈迦様」または「仏陀」と呼んでいますが、本来は釈迦も仏陀も人の名前ではありません。“釈迦”とは開祖ガウタマ・シッダールタが属していた古代北インドの民族「シャーキヤ族(शाक्य)」のことで、“仏陀”とは、「悟りを得る」「悟りに目覚めた」という意味です。

■高野山ってどんなところ?





・和歌山県 伊都郡 高野町にある標高800mの山
・高野山全体が「総本山金剛峯寺」とされている
・高野山には117つのお寺があり、そのうち51つのお寺には泊まることができる
・2004年、世界遺産登録(※「紀伊山地の霊場と参詣道」の1つとして登録)
・開祖は弘法大師(こうぼうだいし)または、空海(くうかい)

※開祖の弘法大師とは空海が亡くなった後に贈られた名前なので、弘法大師と空海は同一人物です。
※最初に標高800mの山とお伝えしましたが、調べたところによると「高野山」は山の名前ではなく、正式には弁天岳、陣ヶ峰、楊柳山、摩尼山などの山々が連なる山域全体をまとめて「高野山」と言うそうです。

■高野山の注目ポイント①:高野山の入口「大門(だいもん)」




 日本のお寺や神社は“神様が住む場所”という意味があります。そのため、お寺の門や神社の鳥居は、神様が住む場所と人間が住む場所をわけている場所に建てられています。高野山の場合は、この大門が高野山の入口なので、門へ入る時はふざけたり騒いだりせず、大門をしっかり観察しましょう。ちなみに、門の左右にある像(金剛力士像)は作った人が違うため、像の表情や体つきに違いがあります。ぜひ、見比べてみてください。

※現在の大門は今から300年以上前の1705年に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。

【お寺や神社のマナー】
・門や鳥居を通る時は、1度立ち止まり頭を下げてから入りましょう。
・門に入る時は、門の中心(敷居)を足で踏んではいけません。跨いで入りましょう。

■高野山の注目ポイント②:壇上伽藍(だんじょうがらん)

 中門へ入り階段を上がると目の前にある建物が高野山の総本堂「金堂(こんどう)」です。ここは、お坊さんたちが集まって修行する神聖な場所です。見落とさないようにしましょう!ちなみに、高野山は真言宗の総本山ですが、真言宗では「大切なものは2つで1つ(金胎不二の世界)」という考えがあります。そのため、壇上伽藍の境内には“根本大塔”と“西塔”という2つの塔があるのですが、これは“2つで1つ”なので、赤色で目立つ根本大塔だけを見て終わらないでください。西塔も立派な建物なので見落とさないようにしましょう!

※壇上伽藍にも国の重要文化財に指定されているものがあります。
※壇上伽藍の金堂、北の方角にある「御影堂」では、毎月21日にお坊さんがお経を唱えるので、高野山へ行くなら毎月21日がオススメです。
※壇上伽藍入口にも門があり、ここの門は「中門(ちゅうもん)」と言います。入り方は大門の時と同じです。

【壇上伽藍のマナー】
・壇上伽藍は金堂が右手にある状態で見学するのが正しい順番です。このことを右繞(うにょう)と言います。これはインドの風習と同じです。

■高野山の注目ポイント③:奥之院(おくのいん)






 奥之院は弘法大師の魂が永久に生き続けている場所です。「奥之院」とオススメポイント②でご紹介した「壇上伽藍」は真言密教の2大聖地と言われているので、高野山へ訪れた際は、「奥之院」と「壇上伽藍」の両方参拝するようにしましょう!

【奥之院へ訪れたら一の橋から参拝がオススメ!】

 日本の歴史や有名な戦国時代の武将が好きな人は一の橋から入ることをオススメします。なぜなら、奥之院には日本の歴史に登場する有名な戦国時代の武将や日本の有名な企業の供養塔があるからです。私はこの場所へ訪れてから有名な人達の供養塔があることを知ったので、「織田信長」や「豊臣秀吉」の供養塔や日本の有名な企業の供養塔を見つけた瞬間とても驚きました。とくに、コーヒーカップの形をした「UCC上島珈琲」の供養塔やロケットの形をした「新明和工業」の供養塔は本当に不思議です。これらは、亡くなった社員や退職して亡くなった社員を供養するために建てられたそうです。企業が社員たちを供養する文化は珍しいですよね?あと、供養塔の中には石に古いサンスクリット文字が刻まれているものもあります。インド人として、高野山で古いサンスクリット文字を見るなんて想像できませんよね?奥之院には不思議なものが沢山あるので、見逃さないようにしてください!

【注意点】
※一の橋から本殿までは2kmあるので動きやすい靴で行くことをオススメします。(本殿まで2km)
※ベビーカーや車椅子の方は「中の橋駐車場」という場所から入ることをオススメします。(本殿まで800m)

【奥之院のマナー】
・正式な参拝ルートは「一の橋」からです。(本殿まで約2km)
・奥之院内にある小さな橋、「御廟橋(ごびょうばし)から先は撮影禁止です。このルールは必ず守ってください。ちなみに、カメラなどでの撮影禁止だけではなく、ペット・携帯電話の使用も禁止です。(電話もmailもチャットも全てNGという意味)
・御廟橋(ごびょうばし)を渡る時は、橋の手前で一礼してから入りましょう。
※とても大切なマナーなので必ず守りましょう!!

■高野山へ訪れる人へのアドバイス





 関西に住んでいる人は高野山まで日帰りで行くことができます。しかし、大阪難波駅から高野山最寄り駅の極楽橋までは2時間かかるので、高野山を満喫したいのであれば、早朝から出発するようにしましょう!その他、高野山へ向かう電車やバスにはお得なパスがあります。自分達にとって1番便利なパスを選べば安く高野山まで行けるので、調べてみてください。

■まとめ

 今回は和歌山県のオススメスポット高野山をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?仏教や日本の歴史に関係する場所なので、少し難しい話が多かったと思うのですが、少しでも歴史を学んで訪れると、有名観光地の京都や奈良とは違った楽しみ方ができるので本当にオススメです。あと、高野山ではお寺に泊まる「宿坊(しゅくぼう)」体験できるお寺があります。この体験では「精進料理(しょうじんりょうり)」という特別なご飯を食べたり、お坊さんたちと同じ体験ができたりするのでオススメです。有名な観光地に飽きた方は是非、高野山で宿坊体験にチャレンジしてみてください。美しい自然の中で日本の歴史や文化に触れれば忙しい日々から解放されてリラックスもできますよ!最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

ヒンドプル スリニワスガウタム

国・地域
インド
居住地
大阪府
得意カテゴリ

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