エンタメ
2023.08.01

中国出身の私がオススメする日本のエンタメと私の夢:ファッション

簡単なプロフィール

■名前:ハン ゲイショ
■国籍:中国
■日本での生活:1年弱(2022年4月)
■大学:東華大学ファッションデザイン(日中コース)を専攻し、3年生の下半学期から4年生の上半学期まで 文化服装学院で交換留学を経験
■現在:日本語学校へ通いながら大学院への進学を準備中
■将来の夢:パータンナーもしくはデザインナー
※パータンナーとは、ファッションデザイナーが描いたデザイン画を元に型紙を引く、アパレル業界になくてはならない専門職のことです

 侬好(ノンホ:こんにちは)!中国の上海市出身、留学生のハン ゲイショです。私は昨年、交換留学生として文化服装学院でファッションや服作り技術などを勉強するために来日しました。最初は、中国で2年かけて学ぶことを日本では1年で覚えなければいけなかったため、頭と心がパンクしそうになったこともあります。しかし、通っていた学校の先生が優しくサポートしてくださったおかげで1つずつ壁を乗り越えることができた結果、とても有意義な1年間を日本で過ごすことができました。文化服装学院卒業後は1度中国へ戻ったのですが、3カ月後の2023年6月、今度は日本語学校へ通いながら大学院へ進む準備をするために来日しました。これからも、日本のファッションを楽しみつつ、専門知識なども沢山学びたいです。よろしくお願いします!

■中国のファッションと日本のファッションはココが違う




・中国の場合→ファッション業界やインフルエンサー達が作り上げたトレンドが流行る
・日本の場合→ファッショントレンドよりも、自分が着たいものを優先する

 中国のファッションは日本以外の国と同じで、ファッション業界が作り出したトレンドに合わせて市場のニーズに適合した、コストパフォーマンスの良い服が作られていきます。そのため、中国のファッションインフルエンサー達はシーズンコレクションが発表された直後からトレンドを分析し、次のシーズンに流行りそうな服のコーディネート写真や動画を誰よりも先に作成し発表するのですが、それを真似る人が多いため個人の趣味嗜好特化型のファッションよりも業界が作り出したトレンドと同じものが毎シーズン流行ります。

 しかし、日本の場合は真逆で、トレンドに左右されず自分流を貫く人が多いという特徴があります。たとえば、ロリータファッションやギャルファッション、ストリートファッション、これらは全て、誰かの目線を気にして選んだ服装ではなく、自分が好きな物やライフスタイルに合わせた結果だと思います。そのため、人の目や年齢、経済力を理由に諦めたファッションをするのではなく、自分が無理をせず可能な範囲でオリジナリティ溢れるファッションを楽しむ人が多いと感じました。その他、もし海外の流行が日本へ入ってきた場合でも、そのまま同じコーディネートが流行るのではなく、必ず日本流にアレンジされたものが流行るところも日本らしさだと思います。

■渋谷で開催されたファッションウィークに参加!




 文化服装学院在学中だった去年、私は渋谷で開催された「渋谷ファッションウィーク2022秋」に参加しました。ショーのテーマは「NUDE / BODY」をコンセプトに、性別、人種、体型、年齢によって多様に変化する“皮膚(SKIN)”をプリミティブな装いと定義し、 着脱できる衣服です。私はこの時、妊娠している少女をイメージした服を作りました。なぜなら、世間では妊娠するなら若い方が良いという固定概念があります。体のことを考えると確かに若い方がいいのですが、経済面や精神面で考えた場合、比例していないということに気付く人はどのくらいいるのでしょうか?妊娠した女性だけが体に違和感を覚え、自分自身の未熟さを知り、経済力に不安を感じながらも、新しい命と向き合い産む決断をする。パートナーも一緒に考えることはできますが、生命誕生の重さを体感することは正直ゼロに等しいと思います。だからこそ、私は自分の作品を通して若い妊婦さん達のメンタルヘルスについて年齢や性別関係なく皆でしっかりと向き合って考えてほしいという強い願いを込めて服を作りました。妊婦さん達の膨らんでいるお腹は服全体のシルエットを考える際インスピレーションとなり、ドレープで妊娠線を描き、ピンクのフリルで少女の若々しくほんのり赤い皮膚を表現したのですがいかがですか?

 作品を完成させ、ランウェイへと送り出した時は嬉しすぎて、製作段階で何度も諦めかけた時のことなど全て忘れていたのですが、完成までには様々なトラブル続きで心が折れそうになりました。たとえば作品が完成するまでに2回審査会があったのですが、1回目は「できるだけシルエットを膨らませてほしい。妊婦感が表現できていない」と言われ、ゼロから作りなおしました。また、2回目では完成させるスピードが遅いことを指摘され、期限までに完成させることができるのかと不安に襲われました。しかし、先生は「きっと完成させることができます。大丈夫!頑張ってください!」と私を信じて何度も声をかけてくださったので自信を取り戻すことができました。さらに、出演3日前に装飾を増やした方がいいと指摘されたこともあったのですが、「もう、やるしかない!」と腹を決め、無我夢中で仕上げた結果、満足のできる作品を完成させることができました。

■私にインスピレーションを与えてくれる街 日暮里線維街






 私はよく、JR山手線日暮里駅南改札口徒歩3分のとこにある日暮里繊維街へいくのですが、数ある生地織物の店舗が軒を連ねる中で、1番お気に入りのお店は「トマト」です。なぜならここは他店と比べて品揃えがよく、お手頃な価格で購入することができるからです。また、品揃えが良いお店の場合、店内で迷子になりやすいと思うのですが、「トマト」の場合は本館、インテリア館、アーチ館、ノーション館、セレクト館と各階のエレベーターや段階の隣にはっきり表記されているので迷わずに目的の生地を探すことができます。更に1階には仮縫い用の試し布や裏地用の生地を100円で購入できる場所があるので、訪れた時にまとめて購入すればお得です。

 「渋谷ファッションウィーク2022秋」に参加した時も、少女の“皮膚(SKIN)”を表現するため、本館の4階へアイデアを探しに行ったのですが、そこで肌色のソフトチュール、少し赤みを帯びたピンク系のオーガンジー、メッシュを発見することができたので、テキスタイルデザインの素材にしました。私と同じような夢を持っている人や、手芸をすることが好きな人にとっては、とてもワクワクする場所なので、気になった方は是非行ってみてください。
※テキスタイルデザインとは衣類や雑貨などのアイテムに使用する織物の布のデザインのこと

 この他、日暮里繊維街で可愛い材料を扱っている場所を知りたい人には「Nocturne(ノクターン)」、革製品や革製品を使用する際に必要な金具などを扱っている場所を知りたい人には「And Leather(アンドレザー)日暮里店」がオススメです。「Nocturne(ノクターン)」では、デコパーツや羊毛フェルトを使った雑貨などが販売されているのですが、店内が明るくカラフルなハンドメイドブローチやハンドメイドポーチなども販売されていて乙女心をくすぐられます。「And Leather(アンドレザー)日暮里店」では金属製チャームやビーズ、既製品のネックレスやリングなどもあるため、自分で小物やアクセサリーを作ってみたい人は是非行ってみてください!

■まとめ

 中国で生活をしていた頃は自分の夢に対して半信半疑なところがあり、目標から逃げ出さないようにするために自分に対して常に強いプレッシャーをかけ続けていました。しかし日本で生活をはじめてからは、私の夢に対して本気で応援しながらサポートしてくださる先生や仲間ができたことで、自分自身を信じて全力で努力することができるようになりました。日本は私にとって様々な角度からインスピレーションやチャンスを与え、素晴らしい人達と出会わせてくれる場所です。だからこそ、私は日本で再び学び、専門知識以外のことや日本人とのコミュニケーション、文化、マナーも学びたいと思うようになりました。まだまだ未熟な部分もありますが、この場所で生活できることが本当に幸せだと思っているので、今後ともよろしくお願いいたします!

ハン ゲイショ

国・地域
中国
居住地
東京都
得意カテゴリ
エンタメ

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