オススメの場所
2023.03.10

ハンガリーの出身の私が日本で見つけたオススメの場所:奈良県「東大寺」

■日本へ留学した理由

 sziasztok!(シアストク:こんにちは)ハンガリー出身のアンナです。皆さんは中央ヨーロッパにあるハンガリーについて何か知っていることはありますか?または、ハンガリー語が話せる方はいますか?私の故郷ハンガリーの言葉は習得することが世界一難しいと言われています。しかし簡単な挨拶なら皆さんもすぐ覚えられると思うので、もしハンガリー出身の友達と会う機会があれば「sziasztok!!(シアストク:こんにちは)」と言ってみてください。

 私は日本に留学してまだ数ヶ月しか経っていないのですが、このように日本語で文章を書くことができます。 なぜなら日本へ留学するまでの準備期間がとても長かったからです。本来であれば大学時代に来日する予定だったのですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で留学することが出来なかった私は、ハンガリーの大学と大学院で日本語学部へ入り、日本語だけではなく日本の歴史や日本の文学についても学んで知識を蓄えました。その結果、このように日本語がある程度理解できる状態で日本へ留学することが出来ました。私が日本文化と出会い興味を持ったのは12歳の頃だったのですが、たとえ12年の歳月がかかっても夢を叶えることが出来て幸せです。

 今回の記事では私がこれまで日本で経験したことやハンガリーで勉強したことの中で1番興味を持った日本文化や仏教について紹介させていただくのですが、同時に日本のおススメスポットとして奈良県の東大寺についても紹介したいと思います。それでは、最後までよろしくお願いします。

■「生まれたときは神道、結婚する時はキリスト教、死ぬ時は仏教」って何だろう?

 これからお話しすることは私が日本に興味を持つようになったきっかけと繋がるのですが、皆さんは日本で神社へお参りに行った際、結婚式に遭遇したことはありませんか?または、神社の中にはお墓がないのに、お寺の中や隣にはお墓があることの理由について考えたことがありますか?これらの理由も多神教、または宗教的習合です。「日本人は生まれたときは神道、結婚する時はキリスト教、死ぬ時は仏教的伝統に従う」という通説まであるのですが、このことを初めて聞いた私は「日本はとても不思議な国だなあ、宗教と関係がある日本の習慣をもっと知りたい!」と思い、日本の宗教について詳しく勉強することを決めました。

・ハンガリー人の宗教的意識 : ハンガリー中央統計局のデータ(2023年)によると回答者の39%はカトリック教、12%はカルビン(カルヴァン)教で、生まれてから死ぬまで一生キリスト教を進行しています。(※カトリック教とカルビン(カルヴァン)教は私の国で1番強いです。)そのため、ハンガリーでは自分のことはカトリック信者でもあり、カルビン(カルヴァン)教徒でもあるというような曖昧な考えを持つ人がいません。

•日本人の宗教的意識 : 文化庁によると、2022年宗教統計調査では神道信者と答えた人は51%、仏教徒は43%、その他6%だったのですが、ここに「無宗教」という枠を増やすと63%の人が無宗教と回答をすることがわかりました。※日本では元々キリスト教のように一神教のみを信じ信仰を説く考えがないかわりに、「八百万の神々(全ての物に神様が宿る、神々は1人ではない)」という考え方があるため、1つの宗教に対して強いこだわりを持つことが少ないと言われています。

■日本で見つけた外国人にオススメの場所は奈良県「東大寺」





 この時、私は3日間しか「京都」と「奈良」に滞在することが出来なかったのですが、にぎやかな東京での生活に少し疲れを感じていた私にとって、奈良と京都での体験は心にゆとりを与えてくれる時間でした。特にその中でも、奈良県の東大寺でみた金剛力士像や東大寺盧舎那仏像、国の天然記念物「奈良のシカ」は私が日本に興味を持つきっかけとなった日本の宗教と深く関係のある場所だったので、今回は東大寺でもっとも感動することを3つ紹介したいと思います。

■東大寺でもっとも感動すること①:金剛力士像(こんごうりきしぞう)





 東大寺に行ったことのある方は東大寺の大仏殿に向かう最初の門、「南大門」に怖い顔をしている立像がいたのを覚えていますか?南大門の左右2体を対に安置されている立像は「金剛力士像」といい、左が口を開けた姿の「阿形像(あぎょうぞう)、右は口を閉じている姿の「吽形像(うんぎょうぞう)と言います。金剛力士像は仏法を守る神様なので東大寺だけではなく他の寺院でも見ることができるのですが、私は東大寺の大仏を守っている守護神の立像を初めて見た瞬間、金剛力士像の迫力に驚いて心の底から感動しました。この東大寺にある金剛力士像は日本を代表する天才仏師「運慶(うんけい)」と、兄弟弟子の「快慶(かいけい)」、その他一門から20人の仏師が集まって69日間という驚異的なスピードで完成させたと言われているのですが、高さ8メートル超え、重さ約7トンの巨大な躍動感のある立像を見上げると迫力に圧倒されてしまいます。

■東大寺でもっとも感動すること②:東大寺盧舎那仏像(とうだいじ るしゃなぶつぞう)





 東大寺大仏殿の本尊である仏像「東大寺盧舎那仏像」も私が感動した仏像の1つです。皆さんは東大寺の大仏様の高さは何メートルあるのか知っていますか?なんと、石座の高さは3メートル、座高は15メートルなので、全体で18メートルです。私はこの巨大な仏像を見上げ、8世紀頃から東大寺の金堂にある巨大な大仏と比べて人間はとても小さいし、人間の人生は長いように思えて実際はとても短い、そして無力だと思いました。しかし、違う方向から考えてみると金剛力士像も盧舎那仏像もその与えられた時間の中で人間がつくったものなのだから、時に人間は誰も想像できないくらい素晴らしくて偉大なことを信仰心とともに短い人生の中で成し遂げることがある。つまり人生は短くても自分次第で素晴らしく可能性に満ちあふれたものに変えることができると思い自信を持つことができました。

■東大寺でもっとも感動すること③:奈良の鹿





 奈良の鹿は神道の昔話と関係があります。昔々、武甕槌命(たけみかづちのみこと)という日本神話に登場する神様が茨城県の鹿島神社から白い鹿に乗って奈良県へやってきたと言われています。そのため、鹿は「神様の使い」と言われ大切に保護されるようになりました。じつは先ほど述べた宗教的習合がここにも関係しています。この野生の鹿は奈良県内のいたるところで見ることができるのですが、東大寺付近に生息している鹿は人間に慣れているので、私達人間が攻撃しないかぎり襲ってくることはありません。(私はこの場所で沢山の鹿と友達になることができました!)近くの売店では鹿の餌を購入することも出来るので、皆さんも鹿と友達になってみませんか?

■まとめ

 今回は、ハンガリーと日本の宗教に対する考え方の違いについてと東大寺の魅力について紹介しましたがいかがだったでしょうか?「面白い!」「もっと知りたい!」「東大寺へ行ってみたい!」と思いましたか?最後に私から皆さんへメッセージがあります。皆さん、どこの国へ行っても必ず自分の価値観を押し通すのではなく、その国の文化や歴史、宗教について尊びましょう。そして、知らない場所へ行く場合は、その場所の歴史や特別な文化について少し調べてみましょう。そうすれば訪れた時の感動も増し、短い時間を有意義なものにすることができると思います。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

ヤマナカヴァルガ アンナ エメシェ

国・地域
ハンガリー
居住地
千葉県
得意カテゴリ
オススメの場所

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